【ニュース・イギリス】David Sweeney 氏:REF評価対象の研究に貢献したものを全て評価するべき

 
2022年9月1日、Research Professional News はリサーチ・イングランドの会長で近く退任する David Sweeney 氏が技術者、図書館司書、研究管理者も研究評価委制度(REF)の評価対象にするべきであるという発言したことを伝えた。英国の研究評価は主任研究員だけでなく、関係者全員の成果をよりよく認識するようにしなければならないとSweeney 氏は述べた。Sweeney 氏は REF を監督する機関である Research England のトップを数年勤め、権限移譲された機関や姉妹機関も監督し、2022年10月に退任する予定である。

 
REF は多額の研究資金の割り振りを決定するだけでなく、機関や個人の名声にも大きく影響が出るものである。高等教育政策局(HEPI) に寄稿したレポートにおいて、誰が「アカデミー」にいるとみなされるのかを「議論」する必要がある、と述べている。「我々の研究チームは技術者、統計をとる者、図書館司書、研究管理者など、様々な専門的な責任を伴う専門家も含まれるようになった。」

 
「研究評価を考えると、主任研究員やその同僚の名前が記載される研究活動だけでなく、そのチーム全体の貢献も適切に評価するべきである。このような議論は理論的にはあまり発展しておらず、実現するにはどのような経過で評価するのか、まだまだ議論の余地がある。」と述べている。

 
Sweeney 氏の発言は、英国と世界の研究評価の将来に関する幅広い討議の際に出たものである。未来研究評価プログラムとして知られているグループは、2021年の最新の研究評価の見直しをすでに実施し、微調整から完全な見直しまで、様々な選択肢を検討することを担っている。9月1日に HEPI から発表された研究評価に関する記事の中で、Sweeney 氏は「研究制度において好ましい特性を認識し、利益が得られることをもっと強調することに対し幅広い支持がある」と述べている。

 
人に知られたくない都合の悪いこと

 
HEPI のその他の寄稿で、University of Cambridge の現代文化史の Peter Mandler 教授は、REF の廃止を求めている。「徹底的な見直しの時となった。ルールブックを破りもう一度はやり直そうではないか。」「研究の卓越性」の価値に値するものは、政府や管理者がほしいもののリストを長くするのではなく、優れた研究を中心に置かなければならないと述べている。

 
Mandler 教授は REF の評価員であったが、以前は評価作業は研究資金を分配するための方法で「最悪な選択肢の中でも一番ましな手段」であるとして擁護していた。しかし、その考えを変えた。

 
「REF はもはや優秀な研究に関することではなくなり、研究のためということでもなくなった。最新のものでは、研究の直接評価は結果の60%しかない。」と述べている。Mandler 教授は、研究のインパクトと環境がどのように評価されていることに疑問視し、「研究よりもっと大雑把であり、かなり少ない証拠から」評価されるということは「人に知られたくない都合の悪いこと」であると言っている。

 
Sweeney 氏はこの発言に対して、「5ページあるインパクトケーススタディでは、最高傑作とは異なることを表現しているが、それが限りなく透明である場合、Mandler 教授が使った「人に知られたくなく都合の悪いこと」という軽蔑的な言葉は役に立っていない。」と反論した。この記事は HEPI のウェブサイトから読むことができる。

 


Research Professional News: Recognise all contributors to REF research, says David Sweeney

Research Evaluation:  Past, present and future Edited by Dr Laura Brassington


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