【ニュース・イギリス】COVID-19初期大学と企業のコラボレーションの減少:NCUB の最新分析報告書で判明

 
2021年12月3日、国立大学産業センター(NCUB)リサーチ・イノベーション(UKRI)UK から委託を受けて今回8版目となる The State of the Relationship のレポートを発表した。NCUB にとってこれはフラグシップレポートで、大学と企業の提携に関する最新の評価を提供する。

 
今回の報告書では:

  • COVID-19の影響が出始めた2018/2019年度から2019/2020年度にかけて、大学と企業の交流数が約3分の1(31%)減少した。
  • わずか1年間の間に中小企業との交流数は39%、大企業とは2%減少している。
  • 交流数が減少したにもかかわらず、2019/2020年度の大学の研究商業化への貢献度は成長し、ライセンス獲得数は2018/2019年度と比べて約3分の1(30%)増加した。

NCUB の最高責任者であるJoe Marshall 博士のコメント:

 
「新しい分析によると、大学と企業の提携は COVID-19 の間減少したことが明らかになった。2018/2019年度と2019/2020年度の間、交流数は約3分の1減少した。大学と企業の提携は、民間と研究開発(R&D)の投資を回復、成長、誘致するために重要なものである。2027年までにGDPの2.4%を研究開発に費やすという政府の目標を達成するために、また将来必要な高度なスキルを手にした労働力を育成するためにも、提携は重要である。」

 
「企業と大学の提携を追跡する『Collaboration Progress Monitor』は、Covid-19 で、大学と企業間の提携に憂慮すべき影響があったことを明らかにした。一方で同期間に生命を救うワクチン開発など注目される開発も行っているが、オフィス、研究所、共同スペースが閉鎖され、多くの研究活動が延期または停止された。さらに、Covid-19 とともにサプライチェーンの問題など経済的な課題も提携の障壁となった。大学と企業との提携は英国の将来の成功には必要なものである。英国がより革新的で高い技術の経済国となる野望を実現するためにも、企業と大学の絆は今後強化する必要がある。」

 
「しかし、悲観的なものばかりではない。新しい分析では、研究の商業化活動が非常に高い水準であることもわかった。大学は地域や起業との提携を支援、維持することに多大な努力をしている。様々な指標より、大学は企業の活動を活性化し、危機に挑み、経済の回復を先導していることがはっきりとわかる。主要な研究商業化の指標としてライセンス、特許、スピンアウトが増加した。大学が新ライセンスを取得した数は1年で3分の1増えた。国内の大学が提携、研究、イノベーションから離れることなく、投資を継続していることは非常に良いことである。科学超大国になるためにはイノベーションが重要であり、景気回復の促進の特効薬となる。」と述べた。

 


国立大学産業センター(NCUB):
University and business collaborations fell by a third in early days of the pandemic, NCUB’s new analysis shows

 
Nation Centre for Universities & Business:State of the Relationship 2021

 
参考記事 2021年12月3日University Businessより:University-business partnerships down by a third, says NCUB report


 

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