【ニュース・イギリス】ESRCの社会科学分野の博士課程へのレビューに関する回答

 
2021 年 12 月 6 日、リサーチ・イノベーション(UKRI)UK は同機関の一部である経済社会研究会議(ESRC)が社会科学の博士課程に関する独立した包括的なレビューとともに、今後の大学院の教育の方針と、変更点を発表した。

 
2020 年2月に ESRC は CFE リサーチと University of York に委託し、社会科学の博士課程に関しての調査及びレビューを実施した。このレビューでは社会科学の卒業生の研究への貢献、国際競争力、またそれに必要な能力と能力開発のための最適な方法に焦点を当て、その結果は2021年10月に発表された。

 
その結果を受けて、ESRC では大学院教育に関する指針を新しくした。新しい指針では様々な分野の学際的、協調的、挑戦主導的な環境で活動ができ、多様な背景の経験から国際競争力のある社会科学研究者を育成することを目標としている。

 
ESRC はまた、2022年から2023年にかけて博士課程研修パートナーシップ(DTPs)のネットワークを再構築するに際して、社会科学系の博士課程のトレーニングの変更を行う予定である。その概要は下記の通り:

 
平等・多様性・包括性(EDI)

 
ESRC はすべての DTPs に対して、資金提供のための評価対象として EDI 戦略を提供することを要求する。DTPs への申請では、参入者の拡大や、すべての人々を受け入れ、支援する環境を提供することを示すことが必要である。DTPs は準備が不足しているグループのための、他とは区別された資金であることを考慮することが奨励されている。

 
博士取得の期間、資金提供と形態

 
ESRC は学生が幅広く研究を続け、雇用適正をつけるために資金提供期間を3年から3年半に延長する。ESRC はまた、社会科学の修士号を取得していない学生を対象として、修士号取得の資金提供をするほか、博士課程での追加研修のための資金提供をする。これは、研究会議で設定する中核の要件のすべては満たしていないが、一部を満たしている学生を対象とする。

 
雇用を獲得・維持するためのスキル

 
ESRC はすべてのESRCの資金提供を受けている学生を対象に、3か月の実習機会を含む実践研究を導入する。その機会となる場は以下の通り:

  • 学術界
  • 政策
  • ビジネス
  • 第3セクターの組織

 
研究スキル

 
ESRC はデジタルな方法を導入して、訓練の質の重要さを見失うことなく、定量的な訓練を強化し、すべての学生が研究デザインの基礎を身につけること目的とする。ESRC では DTPs のトレーニングの内容やその提供方法の刷新や、学生への質の高いトレーニングの提供を強化することを支援している。

 


UK リサーチ・イノベーション(UKRI): ESRC publishes response to review of PhD in the social sciences
 
Value for money annual report: Report on value for money in the Office for Students for 2020-2021


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