2021年8月5日、UKリサーチ・イノベーション(UKRI)は、コロナ禍が研究者の活動に与えた影響について2021年2月から3月の間に実施された
調査の結果を発表した。
調査結果によると、半数近くの回答者がコロナ禍前の勤務時間に戻っていると回答している。しかしながら、コロナ禍は依然として、以下の点に
おいて研究者に重大な影響を及ぼしていることも示している。
- 研究
- メンタルヘルス
- 将来のキャリアへの見通し
当該調査は、UKRI から資金提供を受け、研究者の人材育成等を行っている Vitae プログラムを運用する Careers Research and Advisory Centre(CRAC)によって実施された。
研究への影響
2021年2月から3月の間、研究活動への影響は依然として大きく、以下の通りであった。
- 61%の研究者が、ロックダウンやその他の規制が研究時間にネガティブな影響を与えたと回答した。
- 58%の回答者が、コロナ禍が計画していた研究の実行を不可能にしたと回答した。
- 半数を超える回答者が、コロナ禍の規制が研究時間の削減につながる教育及び管理業務を含む他の活動に影響を与えたと回答した。
- 88%の育児に責任を持つ回答者が、関連する責任が研究時間にネガティブな影響を与えたと回答した。なお、当該回答は性別のバランスが
取れたものとなっている。 - 56%の回答者が通勤の減少が、43%の回答者が仕事関連の出張の減少が研究時間にポジティブな影響を与えたと回答した。
- 27%の回答者が、コロナ禍は研究に予期せぬ結果を招いたと回答した。
メンタルヘルスへの影響
研究者は、以下のとおり低いレベルの健康状態及びメンタルヘルスであると回答した。
- 76%の研究者が、うつ病の可能性が高いもしくは可能性があると回答した。なお、当該調査は、回答者の精神的苦痛の原因について
調査主体が結論を出すことはできない。 - 11%の研究者が、昨年過去1年間にわたっていじめやハラスメントを経験し、そのうち3分の2がコロナ禍の規制以前と比べてより悪く
なったと回答した。
将来のキャリアへの影響
調査結果によると、
- 24%の回答者が、コロナ禍がキャリアの見通しにとてもネガティブな影響を与えると予測していると回答した。なお、当該回答は、
大学院研究者では34%、研究スタッフでは28%に上昇する。 - 60%の回答者が、キャリアの見通しにネガティブな影響もしくはとてもネガティブな影響を与えると回答した。なお、当該回答は、
育児に責任がある者では65%、女性研究者で62%に上昇する。
UKリサーチ・イノベーション(UKRI): Survey findings of the impact of COVID-19 on researchers
地域 | 西欧 |
国 | イギリス |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
行政機関、組織の運営 | 政策・経営・行動計画・評価 |
大学・研究機関の基本的役割 | 研究 |
その他 | その他 |
統計、データ | 統計・データ |