【ニュース・イギリス】教育省(DfE)、2018/19課税年度の長期的教育成果(LEO)を発表

 
2021年3月25日、教育省(DfE)は、2018/19課税年度における高等教育を卒業した学生の雇用及び収入について、専攻分野別、卒業生の特徴別に
長期的教育成果をとりまとめた報告書「Longitudinal Education Outcomes (LEO)」を発表した。

 
当該発表は、すでに公表されている最新の入手可能な2018/19課税年度のデータで更新される公式な統計であり、これらの統計にはコロナ禍の影響
は含まれていない。

 
与えられた雇用及び収入のデータは、イングランドの高等教育機関(HEIs)代替プロバイダー(APs)※1、継続教育カレッジ(FECs)※2を卒業
した学生の卒業後1年、3年、5年そして10年後の2018/19課税年度を対象とし、直近の2014/15から2017/18課税年度との比較を行っている。
また英国出身、EU 出身、EU 圏外出身についてデータが分けられている。

 
当該報告では、2016/17課税年度を対象として行った報告において試行的に行った卒業生の出身地域、学習した地域そして現在の居住地域間において
移動した卒業生の割合に着目した分析を行っており、さらにブレイクダウンした無料給食(FSM)別、地域進学状況(POLAR)別のこれまでに公表
されていない新たな分析が含まれている。

 
主な分析結果については以下の通り。

 

  • 英国出身の卒業生の収入の中央値は、直近の課税年度と比較して2018/19課税年度は増え続けていた。卒業5年後の卒業生の収入の中央値は27,400ポンドであり、2017/18課税年度と比べ4.2%、2014/15課税年度と比べ8.7%増加した。
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  • インフレーションによる調整(実質ベース)を行った卒業生の収入の中央値は以前の年度と比べその増加率が減少した。卒業5年後の実質ベースの収入の中央値は25,500ポンドであり、2017/18課税年度と比べ2.4%、2014/15課税年度と比べ1.2%増加した。
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  • 卒業5年後において、持続的な雇用、さらなる学習またはその両方に該当する英国出身の卒業生の割合は86.7%であった。これは2017/18
    課税年度と比べ0.1%、2014/15課税年度と比べ0.7%減少した。

     

  • 2018/19課税年度における性別による収入格差は、近年の課税年度と比べ増え続けていた。女性の卒業5年後における収入の中央値は、
    2018/19課税年度において、男性の収入の中央値より13.4%低かった。これは2017/18課税年度の格差の12.5%、2014/15課税年度の格差
    の10.7%より大きくなっている。男性の卒業5年後の収入の増加は、2014/15課税年度と比べ、男性は10.7%、女性は7.5%の増加であり、
    この期間において女性の収入の増加より速い割合で増えた。
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  • 英国で雇用されているEU及びEU圏外出身の卒業生の収入の中央値は、2018/19課税年度においてどの卒業生の集団においても英国出身
    の卒業生より高かった。2018/19課税年度において、英国で雇用されているEU出身の卒業生の卒業5年後における収入の中央値は、英国出身
    の卒業生より13.1%高かった。これは、2017/18課税年度(15.2%)、2014/15課税年度(14.3%)より低くなった。英国で雇用されて
    いるEU圏外出身の卒業生の卒業5年後における収入の中央値は、英国出身の卒業生より19.7%高く、2014/15課税年度(13.1%)から2017
    /18課税年度(13.7%)のどの年度よりも高かった。

 

※1 代替プロバイダー(APs):教育省(DfE)が管轄している学位授与機関と連携して高等教育プログラムを提供しているが、公的資金を受給
   していない機関。 <参照>:高等教育質保証の海外動向発信サイト

 
※2 継続教育カレッジ(FECs):中等学校卒業後、特定の職業に就くことを目的にする場合に学生が在籍するカレッジ。

 


教育省(DfE): Graduate outcomes (LEO): 2018 to 2019


 

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イギリス
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