【ニュース・イギリス】COVID-19の打撃で数千人が大学を退学

 
2022年3月17日、Guardian 紙は学生ローン社(SLC) の発表した報告書で 今年2月までに18,000人の学生が大学を退学し、2021年に比べて4,000人
増加している
ことを伝えた。

 
新学期が始まってから数千人以上の学部生が大学を退学しており、COVID-19 が英国の大学や学生に打撃を与えていると述べている。

 
学生ローン社の新しい数字によると、今年2月までにイングランド、ウエールズ、北アイルランドの大学で退学し、学生ローンの受け取りを中止した学生は18,000人以上で、2021年の同時期と比べて4,000人以上多く、COVID-19 前の2019年2月と比較して3,000人増加した。

 
この数字は学生ローン社に退学を申し出たフルタイムとパートタイムの学生を対象としており、コースに一度も参加していない学生や停学になった学生は含まれていない。

 
イングランドでは、2月の第4週目までに退学者が28%増加し。学年が進むにつれてその割合が増加している。ウェールズの高等教育機関は2月下旬までに年間62%増加した。

 
この調査は、多くの職員や学生が COVID-19 の影響を受け続けているため、講師や研究者が学生の欠席率が多くなっていることを受けて実施したものである。

 
教育省(DfE)は SLC の数字は実験的であるし、大きく変動する可能性があり、慎重に扱うべきだと警告している。また SLC の2021/2022年度のデータによると、18,321人という退学者は学生ローンを受けている100万人以上の学生に対してたった1.5%に過ぎないと指摘している。

 
高等教育統計局(HESA)の公式な数字によると、2020/2021学事年度の退学率は COVID-19 前の数字より大きく下回っていることを示している。

 
2019/2020 学事年度で大学の新入生のうち2020/2021学事年度で学業を継続できなかった学生はわずか5.3%であり、過去5年間はいずれも6.5%以上であった。

 
高等・継続教育大臣である Michelle Donelan 氏は、「私は大学に入ることの重要さと大学での進級は同様に重要であることを前々から述べてきた。大学は退学率に対して取り組むべきである。だからこそ今回初めて90%以上の学生の大学資格取得が予想され、過去最高の記録であることを歓迎する。」と述べている。

 
2020/2021学事年度の継続率に基づき、DfE では英国の大学にフルタイムで学位取得のために進学する者のうち9.4%が何も取得せずに大学を去ると算出している。

 
この変化は、特にスコットランドで顕著であり、非継続率は、1年の間に、イングランドとウェールズを上回る7%から4.5%に低下した。

 
HESA のデータによると、最も影響を受けた一部の大学機関では退学率が激減している。University of Suffolk では学校卒の学生の中の退学率は2019年の25%から2020年の13.6%に減っている。

 
University of London の Goldsmith College は若い学部生の間の退学率は10%から11.6%に上昇するという異例の結果となった。


Guardian 紙: Thousands of students drop out of university as pandemic takes its toll
 
参考記事:
  HESA: Thousands of students drop out of university as pandemic takes its toll

  SLC:  Early-in-year student withdrawal notifications: academic year 2018/19 to 2021/22 up to 21/02/2022


地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
学生の経済的支援 学費、学生向け奨学金
統計、データ 統計・データ