2022年1月21日、英国大学協会(UUK)は大学の成績基準に対する取り組みを発表した。
学位取得とは、長年の勉学の積み重ね、失敗、苦悩から立ち直る力、そして熱心さである。しかし2000年当初より、優秀学位である First と 2:1(Upper)の割合が着実に増加したことで学位の価値が損なわれる危険があり、成績インフレの可能性も懸念されている。2019年以降、大学では学生が自分の大学での成果に対して誇りを持てるように努力を続けている。
なぜFirstや2:1の学位取得が増えているのか?
First や2:1の成績の割合が増加してきている理由は、純粋に学生の努力と改善された教育方法と評価のためである。人為的に成績に上限を設定することは間違いである。しかし大学がその増加の理由を容易に説明できないのであれば、データや方針を調べて、理解し、必要であればその傾向を見直すべきである。
2006/2007学事年度から2019/2020学事年度ではFirstや2:1の優秀学位成績が61%から82%に増加したことは無視できることではない。この傾向は常に上昇しているということではない。2018/2019学事年度では優秀学位成績の割合の横ばいが始まり、前年度からの増加がなくなった。
大学はどのように対応しているか?
真剣に取り組む
2019年、英国品質保証常任委員会(UKSCQA)は学位の価値に対する信頼を担保するため、声明を発表した。UKSCQA は英国全土からパートナーを招集し、高等教育機関主導の高等教育の質の評価の監視をしている。
UKSCQA の監視下で下記の内容が実施されている。:
- 学生成果のデータの把握
- 分類クラス分けの説明
- 高等教育機関による学位の判定の改善
- 外部からの監視をサポート
大学を支援するワークショップ
2019年以降、UUK は 英国高等教育保証機構(QAA)と密接に提携し、高等教育機関全体に対してワークショップを開催している。ワークショップは UKSCQA の声明を実行に移すことに役立っている。2020年以降、QAA は19のワークショップを開催し、777人の参加者があった。参加者数の多さはこのワークショップが重要であることを示している。
どのような進展があったのか?
UUK は2020年にこれまでの成果を見直したが、たった1年間であっても、高等教育機関全体で意味のある活動であった。2022年の初頭に当たり、47%の高等教育機関は2019年と比べて、学位基準を守ることに関して自信を持っていると考えている。しかし47%は2019年と同じ状態にあると答えており、説明のつかない成績インフレを理解し、取り組むためにはまだまだやることあることを示している。
参考記事:UUK vows to tackles record-breaking grade inflation
報告書(本文):How are universities protecting degree standards?
英国大学協会(UUK):How are universities protecting degree standards?
地域 | 西欧 |
国 | イギリス |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
大学・研究機関の基本的役割 | 教育、質の保証 |