米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は2019年7月11日、セキュリティが保護されたオープンな国際研究協力に対するコミットメントを表明する声明を発表した。
NSFは、基礎研究を通して米国の経済力強化及び国家安全保障に貢献し、米国による世界のイノベーションリーダーとしての地位持続に取り組んできた中で、NSFと国際研究パートナーが数十年に亘って促進してきた価値は、オープン性・透明性・相互協力であったと主張した。
一方で、これらの価値を尊重せずに、国際研究エコシステムから利益を得ようと試みる他国政府によって、米国の科学・工学組織がリスクに晒されるという現状があるとし、これらのリスクに直面するNSFは、以下の対応を取ると発表した。
- 国内外から受給する研究資金に関する情報開示に関し、報告手順を改善し、簡略化したプロセスを確立(現在、研究者向け政策指針へのパブコメを受付中)。
- オープン科学及び科学のセキュリティに関し、ジェイソン諮問グループ(JASON advisory group)に委託して、2019年夏にこれらの問題に関する調査を実施し、最終調査報告書を2019年末までに提出予定。同報告書は、NSFに対し、実績審査システムの保護を強化し、科学のオープン性とセキュリティとのバランスを維持した機関となるための提案事項を提示する。
- NSF職員もしくは省庁間職員法(Intergovernmental Personnel Act:IPA)の下でNSFに派遣された職員は、NSFミッション及び事業の整合性を脅かす可能性がある外国政府による人材募集プログラムへの参加を不可とする方針を発表。
2019年7月11日
National Science Foundation:Statement on NSF’s commitment to secure, open international research collaboration