米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering）は2019年6月27日、米国におけるがん管理の取り組みに関する報告書『がん管理の指針　～変革への道～（Guiding Cancer Control: A Path to Transformation）』を発表した。
 
本報告書は、米国における現在のがん管理の取り組みは分散的で、調整が行われていないことを指摘し、「米国がん管理計画（U.S. National Cancer Control Plan）」を策定するというアプローチをとることで、より総合的に問題に対処できるとしたうえで、複数のステークホルダーによる優先事項と活動を調整し、リソース統合を改善して、共同説明責任を促進するために、システム工学原理に基づくがん管理国家戦略を策定するよう提案している。また、同報告書は、結論10項目を提示し、がん管理では、個々の問題に対処するのではなく、全体的なシステムに対応すべきとしている。
 
主な提案事項は以下の通り。

• 厚生省（Department of Health and Human Services）が他の連邦省庁と幅広く協力し、米国がん管理計画を主導すべき。
• がん管理プロセスではなく、複数機関が関与するがん管理システム全体を重視すべき。
• 厚生省及び連邦パートナー省庁が出資し、がん管理の取り組みの計画・監督ツールの開発・試作を行う団体・コンソーシアムを支援すべき。
• 厚生省及び連邦パートナー省庁は、州・地方政府及び民間・非営利セクタと定期的に話し合い、計画・監督ツールが最新データに対応していることを確認すべき。

 
なお、本報告書は、「GUIDING CANCER CONTROL」から閲覧可能。
 

2019年6月27日
 
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine：National Cancer Control Efforts Should Address the System, Not Its Individual Parts, Says New Report