【ニュース・アメリカ】NIH、2020年から内部研究を監督する研究所・支部の責任者272人の任期を最長12年に制限

 
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、2020年からNIH内部研究を監督する研究所・部門の責任者272人の任期を最長12年に制限するという新たな方針を発表した。
 
この方針変更は、内部研究を実施するNIH研究所23機関のディレクターの間で決定したもので、該当者の約半数は、今後5年以内に任期満了になるという。NIH科学人材多様性最高責任者のハンナ・バランタイン(Hannah Valantine)氏は、NIH上層部における性別・民族の多様性の拡大につながるとコメントした。現在、これら272人のうち、54人は在任期間20年以上、17人は同30年以上で、女性は責任者全体の26%となっており、NIHテニュア研究者全体に女性が占める割合24%を上回るものの、大規模プログラムの責任者は男性が務める傾向がある。
 
NIH平等性委員会(equity committee)委員長のジゼラ・ストーツ(Gisela Storz)氏は、人材の入れ替わりが不十分であることから、幹部職への昇進機会がないとの印象を若手職員に与えていると指摘している。
 
但し、優秀な成果を収めているキャリア中期の責任者を強制的に退任させることの正当性を疑問視する意見や、後任者探しが本当にオープンに行われるか、幹部職に就くために必要な訓練が女性職員に提供されるかなどに関して懐疑的な声も聞かれる。なお、バランタイン氏は、今後、任期制限対象を他の幹部職に拡大する可能性もあるとコメントしている。
 
2019年5月2日
 
Science:Shake-up at NIH: Term limits for important positions would open new opportunities for women, minorities
 

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