【ニュース・アメリカ】NIH、ヤンセン・ワクチン予防社を含むパートナーと共同で新たなHIVワクチンの有効性臨床試験「インボコド」を立ち上げ

 
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は2017年11月30日、実験的HIVワクチン投与計画の安全性と、HIV感染の予防が可能か否かを検証するために、パートナー機関と共同で大規模な臨床試験「インボコド(Imbokodo、ズールー語で『岩』の意味)」を立ち上げたことを発表した。「インボコド」は、フェーズ2b概念実証試験で、アフリカサハラ砂漠以南在住のHIV陰性の女性2,600人の登録を目指している。
 
本研究は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)グループのヤンセンファーマ株式会社(Janssen Pharmaceutical Companies)傘下のヤンセン・ワクチン予防社(Janssen Vaccines & Prevention, B.V.)が出資し、主要パートナーであるビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation:BMGF)及びNIH傘下の国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases:NIAID)が共同出資している。
 
試験対象となるワクチン投与計画は、世界中の様々なHIV株に対する免疫反応を誘導するために考案されたワクチン要素である「モザイク免疫原」をベースとするもので、BMGFとNIAIDによる出資の下で2016年後半に南アフリカで立ち上げられた臨床試験「HVTN 702」とは異なる投与計画となる。
 
「インボコド」の最初の参加者らは、南アフリカの臨床研究現場においてワクチン投与を受けたが、マラウィ・モザンビーク・ザンビア・ジンバブエにおいても同研究を実施するための許可を申請中である。現在、アフリカサハラ砂漠以南ではHIVワクチンの有効性試験が2件行われていることになり、「HVTN 702」の結果は2020年後半に、「インボコド」の結果は2021年に得られる予定である。
 
2017年11月30日
 
National Institutes of Health:NIH and partners launch HIV vaccine efficacy study
 

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