【ニュース・アメリカ】GAO、連邦STEM教育プログラムの評価改善の必要性を指摘

 
政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2018年3月23日、連邦政府によるSTEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)教育プログラムの現状を検証した報告書「科学・技術・工学・数学教育 ~連邦政府による投資に関する評価改善のための対策が必要~(Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education: Actions Needed to Better Assess the Federal Investment)」を発表した。
 
GAOは、2010年度に実施された連邦STEM教育プログラム200件超に関する報告書を2012年に発表しているが、その後、プログラム・ポートフォリオが変更していることから、STEM教育プログラムの現状の検証が行われた。
 
本報告書では、①2010年~2016年の間でのSTEM教育プログラムに対する連邦投資の変化、②STEM教育ポートフォリオの評価の程度、の2点が検証され、GAOは、同報告書作成のために、2016年に連邦資金を拠出した全てのSTEM教育プログラムを対象としたオンライン調査を実施してその結果を分析した他、関連する連邦法及び省庁文書の確認、関連評価の実施状況調査、関連省庁職員との面接などを行った。
 
その結果、①に関しては、プログラム数は2010年度の209件から2016年度には163件に減少しているものの、連邦投資額は、2010年度が31億ドル、2016年度が29億ドルと比較的安定していることが分かった。但し、2016年度に実施されたほぼ全てのSTEM教育プログラムは、内容の一部が、類似した目的を持つ他のプログラムと重複しているという。
 
また、②に関しては、STEM教育委員会(Committee on STEM Education)は、連邦STEM教育プログラムを評価する責務を完全に果たしておらず、特にパフォーマンス評価を行っていないことが判明した。これらの評価は、STEM教育戦略計画の主要な国家目標の1つである証拠に基づく実践を奨励すると共に、プログラム運営省庁による努力に対する一般の認識を高めることにも繋がるものである。
 
これらの結果を受け、GAOは、STEM教育委員会に対し、1)STEM教育プログラムのパフォーマンス評価の検証、2)評価結果の記録、3)十分にサービスを受けていないグループからのプログラム参加率の報告、の3件を含む合計4件の提案事項を提示した。なお、同委員会は、GAOの提案に同意している。
 
なお、本報告書は、「SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS EDUCATION  Actions Needed to Better Assess the Federal Investment」(PDF:1.94MB)からダウンロード可能。
 
2018年3月23日
 
Government Accountability Office:Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education:Actions Needed to Better Assess the Federal Investment

 

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