米国科学財団（National Science Foundation：NSF）傘下の米国科学工学統計センター（National Center for Science and Engineering Statistics：NCSES）は2019年3月19日、2017年度の連邦省庁による高等教育機関に対する科学工学（S＆E）助成に関する報告書「高等教育機関への連邦科学工学助成は2％増であるものの、歴史的黒人大学への支援は17％減（Federal Science and Engineering Obligations to Academic Institutions Increase 2%; Support to HBCUs Declines 17%）」を発表した。
 
これによると、2017年度の連邦省庁による高等教育機関に対するS＆E助成は324億ドルで、2016年度の316億ドルから2％増であったことが明らかにされた。このうち、大学への研究開発（R＆D）助成は前年度比4％増の298億ドルであったが、歴史的黒人大学（historically black college and university：HBCU）へのR&D助成は前年度比9％減であった。
 
主な結果は以下の通り。

• 連邦S＆E助成のカテゴリーは「R＆D」「R＆D施設」「S＆E指導のための施設・機器」「フェローシップ・研修生制度・研修助成（FTTG）」「S＆Eへの全般支援」「その他のS&E活動」の6つ。
• 連邦S＆E支援受給額上位20位にランクされる高等教育機関への助成額が全体の37％を占め、これら20校では、助成受給額全体の94％が「R＆D」、4％が「FTTG」、2％が「その他のS＆E活動」に分類。
• 2017年度に高等教育機関に対するS＆E支援総額の97％は6つの連邦省庁が拠出。これら6省庁は、厚生省（Department of Health and Human Services、傘下機関である国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）の59％を含む）、米国科学財団（NSF、17％）、国防総省（Department of Defense、13％）、米航空宇宙局（National Aeronautics and Space Administration、3％）、エネルギー省（Department of Energy、3％）、及び、農務省（Department of Agriculture、3％）。
• 連邦S＆E支援受給額上位20位にランクされるHBCUへの助成額がHBCUへのS＆E助成全体の72％を占め、全体の77％は「R&D」資金。また、これら20校が受給した「FTTG」資金は、HBCUへの「FTTG」助成総額の64％。さらに、HBCUへの「S&Eへの全般支援」資金の100％は、これら20校が受給。

 
2019年3月19日
 
National Science Foundation：Federal Science and Engineering Obligations to Academic Institutions Increase 2%; Support to HBCUs Declines 17%