【ニュース・アメリカ】2016年度の州政府によるR&D費支出総額、前年度比3.1%増の23億ドル

 
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は2017年12月13日、2016年度の州政府による研究開発(R&D)費支出に関する報告書「2016年度の州政府による研究開発費支出は3.1%増(State Government R&D Expenditures Increase 3.1% in FY 2016)」を発表した。
 
本報告書は、NCSESが行った2016年度州政府研究開発調査(FY 2016 Survey of State Government Research and Development)の結果をまとめたもので、これによると、2016年度に全米の州政府から拠出された研究開発費は総額23億ドルで、前年度比3.1%増であったことが明らかにされた。また、これらの支出総額全体の64%は、カリフォルニア州・ニューヨーク州・テキサス州・フロリダ州・オハイオ州の5州による支出で占められることが判明した。
 
それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 州政府によるR&D支出の73%は、州政府省庁以外の研究機関・研究者が受給し、そのうちの52%は学術研究機関が受給。企業及び個人の29%がこれに続き、州政府省庁の受給額は、2015年度から9%増の6億3,600万ドル。
  • 研究分野別では、衛生関連R&Dが最大で全体の42%を占め、環境・天然資源関連R&Dの19%がこれに続き、エネルギー、輸送、農業が、それぞれ16%、11%、5%。
  • エネルギー関連R&Dが前年度比4%減であったのに対し、環境・天然資源関連R&Dと衛生関連R&Dが、それぞれ同5%増と3%増。農業関連と運輸関連は、共に同7%増。
  • 2016年度のR&D施設費は総額2,530万ドルで、2015年度の3,490万ドルから28%減。
  • 各州における2016年度のR&D支出額は、バーモント州の100万ドルからカリフォルニア州の5億7,500万ドルまで幅広い。また、各州が連邦政府から受給するR&Dプロジェクト費も、ワシントンDC・メリーランド州・ニューハンプシャー州・ユタ州・バーモント州の100万ドル未満から、ニューヨーク州の1億4,300万ドル以上までと多岐にわたる。
  • 2016年に連邦政府から州政府に支給されたR&D補助金は総額5億1,000万ドルで、補助金全体の46%をニューヨーク州・テキサス州・カリフォルニア州・フロリダ州・サウスカロライナ州の5州が受給。
  • 2016年に州政府省庁が受給したR&D費総額の40%に相当する2億5,400万ドルは連邦政府が拠出。
  • 州政府省庁が受給したR&D費の84%に相当する5億3,200万ドルは、応用研究のために拠出されたのに対し、基礎研究が14%、実験的開発が2%を受給。
  • 州政府省庁以外の研究機関・研究者に支給されたR&D費の内訳には特定の傾向はなく、州によって様々。また、研究分野は、全ての州が、農業、エネルギー、環境・天然資源、衛生、輸送、その他のうち、少なくとも2つの分野における研究のためにR&D費を拠出。

 
2017年12月13日
 
National Science Foundation:State Government R&D Expenditures Increase 3.1% in FY 2016
 

地域 北米
アメリカ
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