【ニュース・アメリカ】非営利大学への移行を目指す営利大学が増加傾向

米国では営利大学十数校が非営利大学への移行を目指しており、例えば、アシュフォード大学(Ashford University)を経営するブリッジポイント・エデュケーション社(Bridgepoint Education)は、2018年前半に同大学の非営利大学への移行計画を発表している。

 

営利大学が非営利大学に移行するには、米国税局(Internal Revenue Service:IRS)と教育省(Department of Education)の両方からの許可が必要で、非営利大学に移行すると税率も変更されることから、より多くの資金を学生教育に投入できるという利点がある。このような移行を視野に入れる営利大学の増加を受け、教育省は非営利大学への移行に関する要件を概説した正式な政策提案をベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官に提出することを検討中である。

 

オバマ政権下では、非営利団体の高等教育センター・フォー・エクセレンス(Center for Excellence in Higher Education)が買収した営利大学チェーンの非営利大学への移行が2016年に阻止されるなど、厳しい措置が取られていたが、営利大学経営者らは現政権下では柔軟な対応がされると期待している。但し、アシュフォード大学の場合、非営利大学への移行が認可された場合でも、学術・教育技術サービスを提供するブリッジポイント社との間で契約を締結してオンライン講座提供を継続する計画であることから、適切な分離が行われることはなく、連邦政府からの監督が緩和されるだけで、教育の質は変わらないとして、反対する声もある。なお、営利大学は収入の25%を学生指導目的で支出することが平均的であるが、アシュフォード大学は、学生の指導目的での支出は収入全体の19%のみで、入学手続・マーケティングに41%を投入している。

 

2018年5月30日

 

ZNews24:After Obama-Era Crackdown, For-Profit Colleges Seek Nonprofit Status

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価