【ニュース・アメリカ】米国高等教育機関の研究開発費、2017年度は前年度比4.7%増の753億ドル

 
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は、2017年度の米国高等教育機関による研究開発費に関する報告書「2017年度の高等教育研究開発費は4.7%増で750億ドルを超過(Higher Education R&D Expenditures Increased 4.7%, Exceeded $75 Billion in FY 2017)」を発表した。
 
本報告書は、NCSESが実施した高等教育研究開発調査(Higher Education Research and Development (HERD) Survey)のデータに基づくもので、これによると、2017年度の高等教育研究開発費は、2016年度から4.7%増の753億ドルとなった。資金源は、連邦資金が占める割合が53.5%と最も大きく、2016年度の54%から大きな変化はなかったものの、同調査が開始された1953年以降では最低となった。また、大学が自己資金から投入した研究開発費は約190億ドルで、高等教育研究開発費全体の約25%を占め、同調査開始以降最大となった。
 
それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 基礎研究費が研究開発費全体に占める割合は、2010年度の66%から徐々に減少し、2017年度は62%。
  • 2017年度に応用研究費と実験的開発費が研究開発費全体に占める割合は、それぞれ28.5%と9.6%で、2010年度の25%と9%からいずれも増加。
  • 高等教育研究開発費に投入された連邦資金のうち、応用研究費の割合は約28%であるのに対し、基礎研究費の割合は63.7%。
  • 研究分野別では、生命科学分野の生物・生物医科学研究(6億6,400万ドル増)と衛生科学研究(160万ドル増)の増加が顕著。
  • 研究機関別では、ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University、メリーランド州)による研究開発費が最大(250億ドル)で、ミシガン大学(University of Michigan、150億ドル)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco、140億ドル)がこれに続く。

なお、本報告書は、https://www.nsf.gov/statistics/2019/nsf19302/から閲覧可能。
 
2018年12月3日
 
National Science Foundation:Higher education research and development expenditures increased 4.7 percent from FY2016 to FY2017

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