【ニュース・アメリカ】米国科学工学医学アカデミー、簡易爆発物製造に使用される前駆的化学物質販売の小売レベルでの規制強化を提言

 
米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は2017年11月14日、報告書「爆発性前駆的化学物質へのアクセス規制を通した簡易爆発物による攻撃からの脅威の縮小(Reducing the Threat of Improvised Explosive Device Attacks by Restricting Access to Explosive Precursor Chemicals)」を発表し、簡易爆発物(improvised explosive device:IED)からの脅威を縮小するためには、自家製爆発物を製造するためにテロリストや犯罪者らが利用するオンライン販売を含め、小売レベルで販売される前駆的化学物質に対する監督強化を行うべきと提言した。
 
これらの前駆的化学物質の小売販売は、深刻な脆弱性をもたらすにもかかわらず、この問題に重点を置いた連邦規制は現時点では存在しないという。本報告書では、国土安全保障省(Department of Homeland Security)からの要請を受けて、自家製爆発物製造のために使用される可能性のある前駆的化学物質の特定・列挙・優先順位付けが行われており、グループAに分類された10種類の化学物質は、現在も継続して最大の脅威であることから、最優先事項として政策決定者らは留意すべきとしている。
 
また、同報告書を作成した委員会は、「禁止」「ライセンス取得」「非商業購入の登録」「既存の管理体制におけるアウトリーチ・研修・報告の強化」という4種類の管理戦略を評価したが、いずれも最善策と特定できなかった。さらには、政策オプションの可能性を検証する際には、政策決定者及び民間セクタ事業体は、単一の化学物質に対する規制ではなく、複数の化学物質に対応すべきと提言した。
 
なお、本報告書は、「REDUCING THE THREAT OF IMPROVISED EXPLOSIVE DEVICE ATTACKS BY RESTRICTING ACCESS TO EXPLOSIVE PRECURSOR CHEMICALS」から閲覧可能。
 
2017年11月14日
 
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:New Report Calls for Greater Oversight of Precursor Chemicals Sold At the Retail Level to Reduce Threats from Improvised Explosive Devices

 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
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