【ニュース・アメリカ】米国政府説明責任局(GAO)、米国における高等教育機関認証システムを検証

 
米国政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2018年1月23日、米国における高等教育機関認証システムを検証し、2017年12月に作成した報告書「高等教育 ~米国における大学認証に関する専門家の見解~(Higher Education: Expert Views of U.S. Accreditation)」を一般に公表した。
 
本報告書は、連邦議会による要請を受けてGAOが作成したもので、①大学の学術的質を監督する現在の米国大学認証システムの長所と問題点、②学術的質を監督する大学認証システムを改善するアプローチ、の2点を検証している。
 
GAOは、米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)による支援の下で、専門家18人で構成される円卓会議を招集し、円卓会議前後に専門家へのアンケート調査を実施した他、文献、関連法・規制、及び、教育省(Department of Education)の文書などの検証や、教育省職員及び学術研究者を含むステークホルダーとの面接などを行った。
 
その結果、①に関しては、重要な長所として、様々な大学の種類に合わせたレビューを可能とする認証システムの構造と、学術的質の評価と改善に向けたフィードバックを提供する教員及び大学運営者によるピアレビューの利用が挙げられた。一方、問題点としては、大学認証の取り消しは連邦学資援助プログラム参加資格に悪影響を与えることから、大学認証機関が認証取り消しを躊躇する可能性があること、学術的質に関する有効な情報を学生に提供していない可能性があること、学術的質の有効な定義付け及び評価手段に問題があることなどが挙げられた。
 
また、②に関しては、

  1. 認証機関と教育省による監督の役割及び責任の修正・再定義、
  2. コミュニケーション及び透明性の強化、
  3. 学術的質の評価における学生の成績の重視や、認証カテゴリーの拡大、
  4. 認証システムの構造改革、

などが提案された。教育省は、本報告書内容を検証中とコメントしている。
 
なお、本報告書は、「HIGHER EDUCATION Expert Views of U.S. Accreditation」(PDF:1.57MB)からダウンロード可能。
 
2018年1月23日
 
Government Accountability Office:Higher Education: Expert Views of U.S. Accreditation
 

地域 北米
アメリカ
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