【ニュース・アメリカ】2018年度の州政府による高等教育への補助金、全米平均で前年度比1.6%増 過去5年で最低の増加率

 
イリノイ州立大学(Illinois State University)教育政策研究センター(Center for the Study of Education Policy)と州高等教育事務局長協会(State Higher Education Executive Officers Association)は2018年1月22日、州政府が拠出する高等教育補助金に関する「グレープバイン調査(Grapevine Survey)」の結果を発表した。
 
これによると、2018年度に州政府が拠出する高等教育補助金は、全米平均で前年度比1.6%増で、2016年度から2017年度への4.2%増を大きく下回り、増加率は過去5年間で最低となることが明らかになった。
 
同大学教授で「Grapevine」の編集者を務めるジェームズ・パルマー氏(James Palmer)は、大学補助金を増やすために必要となる収入の維持が、多くの州政府において困難であることが推測できるとしている。高等教育への補助金の状況は、各州によって大きく異なり、合計19州において2018年度の補助金が2017年度を下回ったが、減少率は、オハイオ州の0.1%減からノースダコタ州の14.6%減まで幅広い。
 
一方、合計12州においては、2018年度の補助金が2017年度を上回るものの、増加率は2%未満であるのに対し、18州では増加率が2%以上で、増加率が最大であったのはフロリダ州の11.3%増であった。
 
主な結果は以下の通り。

  • 一定の年収以下の家庭のフルタイム学生の授業料を無料とする「エクセルシオール奨学金(Excelsior Scholarship)」制度を2018年秋学期から開始するニューヨーク州では、2018年度の補助金は、2017年度から僅かに1.9%増の59億ドル。
  • 2016年度~2018年度の2年間で州政府による補助金が増加した州は合計34州で、増加率は、アーカンソー州の0.1%からハワイ州の18.7%まで幅広い。一方、この2年間で補助金が減少した州は15州で、減少率は、ニュージャージー州の0.1%からミシシッピ州の13.3%と大きな差がある。
  • 過去5年間では、州政府による高等教育への補助金は20.7%増で、合計40州において増加。増加率は、アリゾナ州の1.1%が最小で、カリフォルニア州の52.5%が最大。一方、合計10州では5年間で補助金が減少しており、減少率は、ニューメキシコ州の0.5%が最小で、ウエストバージニア州の20.6%が最大。

 
2018年1月22日
 
Inside Higher ED:‘Anemic’ State Funding Growth
 

地域 北米
アメリカ
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