【ニュース・アメリカ】米国大学学長の80%超、大学生の精神衛生の優先度は3年前よりも高いと回答(8月12日)

米国教育審議会(American Council on Education)は8月12日、ACE加盟大学のうち、約400校の2年制・4年制大学学長を対象に実施した、大学生の精神衛生に関する調査結果をまとめた報告書「大学生の精神衛生と健康 ~大学学長調査~(College Student Mental Health and Well-Being: A Survey of College Presidents)」を発表した。
 
これによると、全体の80%超の学長は、所属大学において学生の精神衛生の優先度が3年前と比較して高くなっていると回答し、中でも公立4年制大学学長がそのように認識する割合が高かった(87%)。具体的に、全体の72%の学長が、学生の精神衛生問題に対応するために、予算割当を組み直したり、さらなる資金を投入したりするなどの対応を過去3年間に行っている。
その他の主な結果は以下の通り。

  • 学長の29%は、週1回以上の頻度で学生の精神衛生問題の報告を受けると回答。また、42%は少なくとも1カ月に数回報告を受けると回答。
  • 報告を受ける主な精神衛生関連懸念事項は、不安症が全体の75%で鬱症が74%。中でも、4年制私立非営利大学学長が、不安症の報告を84%、鬱症の報告を83%が受けると回答し、他のセクタよりも高い。
  • 公立2年制・4年制大学学長は、私立4年制大学学長と比較すると、依存症及び食料不安に関する報告を受ける頻度が高い。
  • 4年制私立非営利大学学長は、他のセクタと比較して、自殺以外の自傷行為に関する報告を受ける頻度が高い。一方、公立大学学長は、私立大学と比較して、自殺に関する報告を受ける頻度が高い。
  • 公立2年制大学学長は、他のセクタと比較して、住居不安に関する報告を受ける頻度が高い。
  • 学生の衛生問題への対応において、学長の92%は学生担当副学長もしくは学生部長に支援を要請。また、36%は総長もしくは最高学術責任者、34%が大学警察署長、27%が法律顧問に支援を要請。
  • 学長の90%は、大学職員が学生の精神衛生問題に対応する時間は3年前よりも増加したと回答。また、82%は、大学教員が同問題に対応する時間が3年前よりも増加したと回答。
  • 同問題への対策のために無制限に資金が与えられる場合、学長の58%はカウンセリングセンターを中心にさらに職員を採用すると回答。

 

Higher Education Today: College Student Mental Health and Well-Being: A Survey of College Presidents

地域 北米
アメリカ
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統計、データ 統計・データ