【ニュース・アメリカ】米国大学学長、半数以上が「大学は米国社会の大半から切り離されている」と認識 インサイド・ハイヤー・エド社調査

 
米国の高等教育情報を提供するインサイド・ハイヤー・エド社(Inside Higher Ed)は2018年3月9日、調査会社のギャラップ社(Gallup)との協力の下で、米国大学学長を対象として実施した調査報告書「2018年大学学長調査(2018 Survey of College and University Presidents)」を発表した。
 
本調査は、ギャラップ社が2018年1月~2月上旬に実施したもので、大学学長618人からの回答に基づいて報告書が作成された。これによると、学長の約3分の1は、今後1年以内に大学10校以上が閉鎖・合併すると回答し、約40%は最低5校が閉鎖・合併すると回答したという。
 
また、8人に1人の学長は、自身の所属大学が今後5年以内に閉鎖・合併する可能性があると回答した。さらに、回答者の約3分の1は、「大学は、保守的見解が容認されない場所という見方は正しい」という意見に同意した他、51%は、「2016年の総選挙において、大学は米国社会の大半から切り離されていることが露呈した」という意見に同意した。
 
それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 一般による大学への信頼度の低下は認めるものの、大学に対する誤解に基づくものとの見解が大半。特に、メディア及び政治家による「学生によるローン負債」の強調による影響が大きいと回答。
  • トランプ政権1年目の高等教育に対するアプローチに関し、41%が予想以下と回答し、49%がほぼ予想通りと回答。また、ベッツィー・デボス教育長官(Betsy DeVos)の働きに関しては、62%がほぼ予想通りと回答したのに対し、30%が予想以下と回答。但し、トランプ政権及び共和党主導の連邦議会のアプローチに関して大半は批判的である一方で、性犯罪の疑いに対する取扱いに関して大学に柔軟性を与えるという取り組みに対してのみ、半数以上が高評価。
  • 自身の所属大学における人種間での関係は、19%が「非常に良好」、61%が「良好」と回答する一方で、全米の大学キャンパスに関しては、「非常に良好」と回答したのは1%未満、「良好」と回答したのは20%のみで、本件に対する見解の信頼性に疑問。

 
なお、本報告書は、「2018 Survey of College and University Presidents」で必要事項を記入した後にダウンロード可能。

 

2018年3月9日
 
Inside Higher ED:Leading in Turbulent Times: A Survey of Presidents

 

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