【ニュース・アメリカ】米国アカデミー、医師養成・研修プログラムに関し改革を提言

米国アカデミー(National Academies)傘下の医学研究所(Institute of Medicine:IOM)は、米国における医学教育プログラムに関する報告書「米国医療のニーズを満たす大学院医学教育(Graduate Medical Education That Meets the Nation’s Health Needs)」(URL1)を発表した。IOM医療サービス理事会(Board on Health Care Services)が編成した大学院医学教育管理・資金調達委員会(Committee on the Governance and Financing of Graduate Medical Education)により作成された本報告書は、年間150億ドルの公的資金を投資することにより、米国が必要とする医師を確実に要請するために、医師養成・研修プログラム向けの資金調達に関し、連邦システムを大々的に改革する必要があると提言している。同報告書は、大半は高齢者向け医療保険制度の「メディケア(Medicare)」を通じて資金調達が実施されている現状では、説明責任が要求されることはほとんどなく、資金割当は人材の必要性や教育成果とは無関係で、最も多くの米国人が利用する医療現場において医師を養成する機会が不十分であるとの問題点を指摘している。具体的には、2003年から2013年にかけて、一般医の需要が非常に高いにもかかわらず、専門医として養成された医師の数が不均衡なまでに多い他、研修機会が特定地域や都市部に集中し、遠隔地での勤務希望者や、十分な治療を受けられないグループのための勤務希望者が増加しないなどといった問題が深刻化したという。同報告書を作成した委員会は、医師のための研修プログラムへの公的資金投入は現行レベルを維持すべきであるが、成果に応え、イノベーションを促進するような説明責任のある時代に合った資金調達制度へと移行するよう、議会は「メディケア」関連法を修正する必要があると結論付けており、今後10年間の移行期間を設定し、提案事項を完全に実行するよう提言している。

URL1: http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=18754
URL2: http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=18754

地域 北米
アメリカ
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