【ニュース・アメリカ】白人至上主義者らによる大学での宣伝活動件数、2017~18学年度は前学年度比77%増の292件

2018年6月28日、名誉棄損防止組合(Anti-Defamation League:ADL)は白人至上主義者らによる大学構内における宣伝活動に関するデータを発表した。これによると、2017~18学年度には大学構内における白人至上主義宣伝活動が292件発生し、2016~17学年度の165件から77%増となった。宣伝活動の主要な形態はポスター及びチラシで、大学が極右勢力の標的になっているとの懸念が全国的に高まっている。

 

ADLのオーレン・シーガル(Oren Segal)氏は、大学構内外やオンラインでの白人至上主義者らによる宣伝活動は継続して実施されており、白人至上主義ムーブメントの高まりがこの背景にあるとの懸念を表明している。

 

ADLは、2016年以降、全米47州とワシントン特別区に所在する大学287校において、これらの宣伝活動478件を記録しているが、そのうちの約半数に極右団体「アイデンティティ・ヨーロッパ(Identity Evropa)」が関与し、70件は2017年8月に設立された極右団体「ペイトリオット・フロント(Patriot Front)」が関与していると分析している。また、宣伝活動は、黒人・ユダヤ教徒・イスラム教徒・移民・性的マイノリティを含むマイノリティコミュニティに対する攻撃を含むもので、特に、カリフォルニア州及びテキサス州の大学で集中して発生していることが判明している。

 

なお、本データは、以下より閲覧可能。
Anti-Defamation League:White Supremacist Propaganda Nearly Doubles on Campus in 2017-18 Academic Year

 

The Chronicle of Higher Education:White-Supremacist Propaganda on Campuses Rose 77% Last Year

 

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