【国際協力員レポート・フランス】フランス高等教育機関における学術交流協定-事務手続きの視点から-

大学の国際競争力強化が求められている昨今、それなしでは語れないものの一つが、海外との学術交流協定である。本研修に参加する前、私は所属大学で学術交流協定の事務手続きを所掌業務の一つとして担当していた。協定書には双方の希望をしっかり反映させなければならず、互いに譲れない部分にどう折り合いをつけるかなど、ルーチンの手続きではこなせない厄介な問題が多かった。法的文言などが含まれると、専門知識が必要であるし、定期異動がある一職員のみではもはや対応できなくなる。一方で、処理の速さも求められるのでのんびり考えるわけにもいかない。いろいろ頭を悩ませながら、ふと、相手の大学ではどうしているのかと気になり始めた。同じような悩みを抱えているのだろうか。もっと効率的なやり方をもっているのだろうか。独自のルールはあるのだろうか。特に、フランスの大学との交渉は独特のやりにくさがあった。
そこで、本研修の機会に、これらの疑問を解く一助とするため、フランスのいくつかの大学の担当者にインタビューをし、所属大学との共通点・相違点を知り、協定の事務手続きのあり方について調査してみたいと思った。
調査項目として、(1)協定締結のための事務手続き、(2)問題点があるとすればその事例、(3)事務職員の職権の自由度の3点を設定した。(3)については、訪問先でのインタビュー中、事務職員の「自由裁量」という言葉をたびたび耳にするなど、フランスと日本では事務職員のスタンスが根本から違うのではないかという疑問を抱いたことから、調査項目に加えたものである。
なお、報告書全文はこちらから閲覧可能。

【氏名】 湊 涼子
【所属】 大阪大学
【派遣年度】 2016年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ストラスブール研究連絡センター

地域 西欧、EU
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
国際交流 国際化、学生交流、研究者交流
人材育成 学生の多様性、研究人材の多様性
レポート 国際協力員