【国際協力員レポート・イギリス】大学支援型ギャップイヤー等の学外学修の実施及び学修を生み出す仕組みの構築に向けて-英国大学の取り組みに関する調査-

【概要】
今日、日本そして世界の将来のためグローバルに活躍し貢献できる人材の育成が急務となっており、それが大学の果たすべき重要な使命の一つとなっている。
しかし、(1)「豊かで安定した日本社会で育った今の学生たちは、『何のために学ぶのか』という動機付けが不足し、学修態度が受け身であるとの指摘や、主体的に考えて表現していく力、グローバルな視点や国際的なコミュニケーション力、自立心や競争意欲が不十分で弱いとの指摘」 がある。また一方では、(2)学生の学修 時間が短いとの指摘もあり、「海外の大学のように、学生に勉強させる仕組みが必要」 であるとも叫ばれている。
前者(1)に対しては、東京大学が「総合的な教育改革の一環」 としての秋季入学構想や、それに伴う「ギャップターム」(秋季入学を実施した場合に生じる、高校卒業から大学入学までの約半年間)の活用を提案し、その後、文部科学省に設けられた「学事歴の多様化と日本のギャップタームに関する検討会議」において、「大学支援型ギャップイヤーの自主的導入」 が提言されるに至っている。日本の大学は、今後いかに大学支援型ギャップイヤー等の学外学修プログラム を実施していくべきか。また、場合によっては、一部の大学へ入学した学生には、結果的に全員に学外学修プログラムへの参加が義務づけられるというケースも生じうるが、その是非はいかに考えるべきか。さらに、学外学修プログラムを導入し、かつ、それを学生全員に体験させる場合、その期間がある一定以上の長期間であれば、その分アカデミック・カレンダーの延長が必要になるとも考えられるが 、それは許されるだろうか。また、後者(2)の「学生に勉強させる仕組み」は、いかにすれば作り出せるだろうか。
以上の問題を考えるためには調査が必要であり、日本学術振興会国際学術交流研修の一環としてそれを行った。本稿では、調査結果に基づいて、我が国における問題点を明らかにする。

なお、報告書全文はこちら(PDF)から閲覧可能。

【氏名】 藤田 明子
【所属】 東京大学
【派遣年度】 2014年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ロンドン研究連絡センター

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
その他 その他
レポート 国際協力員