【ニュース・タイ】教育大臣がタイの大学に政策を提言

2016年9月15日、タイ高等教育局(Office of Higher Education Commission:OHEC)は600名の大学幹部を対象にタイの大学政策に関する会議をバンコクで開催した。教育大臣のDapong Ratanasuwan氏がこのイベントの議長を務め、参加者らに対し様々な政策を伝えた。

 

教育大臣は「大学政策は、来月閣議決定される予定の、2017年から2031年に向けた国家教育計画と同様に現在の政府計画と関連付けるべきである。」と述べた。

 

大臣はまた、タイの新しい省としてOHECを再編・改革する方法についても言及した。しかし、この問題は現在議論中で、決定には至っていない。加えて、議論が必要とされるタイの大学に適したガバナンスに関して問題がある。

 

教育大臣に代わり、大臣書記官が教育省、国家教育計画及び教育省の戦略について発表した。同書記官はまた、タイの教育問題の他、喫緊の解決が求められる5つの事項、つまり、人材管理、予算、資源、施設・設備、運営についても述べた。

 

政府が新しい「Thailand 4.0」政策を掲げたため、タイの大学はネットワークを通じて、国内の10,947校の学校と積極的に連携するべきである。それらの学校はまた、「Universities 4.0」にならなければならない。これはつまり、教育マネジメントを進展させ、タイの経済や関連のある社会的側面に影響を与える新たな研究を創出する必要があるということである。

 

それにも関わらず、タイの大学は以下のような多くの問題に直面している。

  • 高等教育に係る予算
  • 大学と大規模公共投資の調整ができないこと
  • 学士課程学生数の減少
  • タイ人大学院生数の過多
  • 商業を基調とした課程
  • 高い失業率
  • 必要とされていない労働人材
  • 理系学生と研究者が少ないこと
  • 無資格の教員課程卒業生
  • 英語スキルが低いこと
  • 不十分なガバナンスに関連した問題
  • 研究の質が低いこと

最終的には、タイの大学に対しいくつか提案がなされた。

 

一つ目は、特定の卓越性に向けタイの大学を管理する計画である。これは有資格の職員や教員、そして特定領域の研究の質の改善を通じてなされる。

 

二つ目は、職業教育の領域において、より多くの学生に修学、就業するよう奨励するために、職業教育の学士課程を継続するための計画である。

 

三つ目は、タイの学生を高いクオリティを有する労働人材として将来的なキャリアに向けて準備させるための職業統合的学習(Work-Integrated Learning:WIL)プログラムの開発である。

 

そして、四つ目は、タイの経済や社会計画に対応する大学レベルの研究を改善することである。

 

大学は、現在上述のような問題に直面しているため、最後に教育大臣は、学術的、行政的かつ良好なガバナンスの観点からタイの大学の自主性について言及した。そのため、大学はそれらの問題を解決する能動的かつ持続可能な方法について考える必要がある。

 

(2016年9月20日 タイ教育省HP)

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事、政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
人材育成 学生の就職、高技能職業人材の育成