米国研究所（American Institutes for Research：AIR）のデルタ・コスト・プロジェクト（Delta Cost Project）は、2003年～2013年の米国大学の財務状況に関する報告書「大学による支出の傾向：2003年～2013年（Trends in College Spending: 2003–2013）」(PDF)を発表した。これによると、2012年から2013年の間に、全種類の公立・私立大学による支出は増加したが、中でも公立・私立研究大学と修士課程提供機関において、2013年の支出額が、2008年の景気後退開始後最大となる前年比2～3％増となるなど、大きく回復していることが明らかにされた。

その他の主要な調査結果は以下の通り

・大学卒業者数が増加したことは、景気後退による好影響の1つで、学位付与数は3年連続で大幅に増加し、2013年は10年間で最高

・州政府・地方自治体の高等教育予算は2013年にやや回復したものの、公立研究大学への拠出は2008年レベルと比較して28％減で、学生1人あたり2,900ドル減

・高等教育において、特に支出が急増しているカテゴリーは学生サービス（就職カウンセリング、学業アドバイス、精神衛生治療などを含む）で、2003年～2013年の10年間で20％増

American Institutes for Research：College Finances Begin to Bounce Back from Recession, But Students Continue to Pay for Most Institutional Costs