国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は2015年12月11日、これまでHIV・エイズ研究資金として予算全体の10％を確保していた措置を廃止することを発表した。また、エイズ研究助成6,500万ドルに関しても、流行終結に重点を置いたものへと再編成する計画であることを明らかにした。これは近年、HIV・エイズによる死亡率が低下し、治療法が向上していることが背景にあり、連邦議会及び一部の擁護団体からも予算割当の変更が迫られていた。NIHエイズ研究局（Office of AIDS Research：OAR）が同日NIH長官諮問委員会（Advisory Committee to the Director：ACD）に提出したエイズ研究助成評価報告書「NIH HIV・エイズ研究の優先度（NIH HIV/AIDS Research Priorities）」(PDF)では、外部助成受給研究832件の約20％に相当する242件は優先度の低いプロジェクトに分類されることや、エイズ研究助成を受給した内部プロジェクト56件の47％に相当する26件が優先度の低いプロジェクトに分類されることが明らかにされた。

ScienceInsider：NIH drops special 10% set-aside for AIDS research