【ニュース・アメリカ】米国科学工学医学アカデミー、高技能技術労働力の開発・維持改善の必要性を提言

米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、米国の高い技能を保有する技術職の人材に関する報告書「米国の高技能技術労働力の構築(Building America’s Skilled Technical Workforce)」を発表した。

 

本報告書は、米国は21世紀に競争力を維持するために必要な技能を備えた人材の開発・維持を十分に行っていないと指摘し、政策決定者・雇用主・教育機関は米国の高技能技術労働力強化のために措置を講じるべきと提案した。

 

同報告書では、学士号を必要としないが高レベルの知識を必要とする技術分野の仕事を検証した結果、医療ケア・建設・製造などといった職業グループの大半に高技能を保有する技術職者は存在するが、医療実験技術者やコンピュータサポート専門家などに代表されるこれらの技術職は、その技術が「中級技能(middle skills)」と形容されることが多く、これらの人材の価値及び当該分野の力強さなどが十分に評価されていないと指摘している。本報告書を作成した委員会の委員長を務める元連邦上院議員のジェフ・ビンガマン(Jeff Bingaman)氏は、これらの高技能技術労働力の養成・維持を十分に行わない場合、米国は、生産性の低下、雇用の減少、米国民の生活の質の低下などといった問題に直面することになると警告している。

 

同報告書は、連邦・州政府の政策決定者に対し、高技能技術訓練を受ける学生の教育・訓練に対する支援の強化、技術者に対する継続学習機会の提供、及び、公安関連以外の免許・資格に関する地域限定の排除などを通して、高技能を持つ技術職者を支援すべきと提案している。また、教育省(Department of Education)、労働省(Department of Labor)、及び、国防総省(Department of Defense)に対しても、予算割当の見直し及び議会への報告や、軍人の退役後の技術職への円滑な移行に対する支援改善などを通して、高技能技術労働力の開発・維持に更に貢献すべきとした。

 

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
National Academies Press:Building America’s Skilled Technical Workforce

 

2017年5月17日

 

National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:United States’ Skilled Technical Workforce Is Inadequate to Compete in Coming Decades;Actions Needed to Improve Education, Training, and Lifelong Learning of Workers

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 高技能職業人材の育成