米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、特に賛否両論のある問題を取り扱う際の科学関連事項の有効なコミュニケーションの複雑さを紹介し、科学関連のコミュニケーションをとる者及び研究者が有効な手段を識別する上で役立つ研究課題を提案した報告書「科学の有効なコミュニケーション ~研究課題~(Communicating Science Effectively:A Research Agenda)」を発表した。本報告書は、単により多くの情報を伝えることに重点を置いた「不足モデル(deficit model)」と呼ばれる一般的なモデルは誤りであると指摘し、科学関連のコミュニケーションに影響を与える複雑な要因を理解するために、大規模な研究が必要としている。また、同報告書は、更なる研究が必要とされる具体的なコミュニケーション実践法を特定しており、例えば、誤った情報が誤りであることを証明し、情報を修正するアプローチにおいては、誤った情報の証明に関する現在の理解が、誰にとってどのような条件下で適用可能であるかについて更なる研究が必要としている。さらには、同研究は、科学コミュニケーション研究インフラにおいて強化すべき複数の領域を特定している。
なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:Communicating Science Effectively:A Research Agenda
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:New Report Recommends Research Agenda for Effective Science Communication