【ニュース・アメリカ】オバマ大統領、医学研究拡大と新薬・医療機器認可の迅速化を目的とした「21世紀治療法」を法制化

オバマ大統領は2016年12月13日、医学研究の拡大と新薬及び医療機器の認可の迅速化を目的とした「21世紀治療法(21st Century Cures Act)」に署名をして法制化した。同法案は、2016年12月1日に連邦議会下院が賛成392票、反対26票で可決し、その後、2016年12月7日に上院で賛成94票、反対5票で可決されていた。今回法制化された新法は、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が今後10年間をかけて新たな研究のために48億ドルを拠出することを認めており、これには、①バイデン副大統領が主導するがん研究イニシアティブ「ムーンショット(moonshot)」のための18億ドル、②人間の脳の複雑なマッピングを可能とする新技術開発のためのプロジェクト「BRAINイニシアティブ」のための15億6,000万ドル、③新治療法開発の支援を目的として米国人ボランティア100万人から遺伝データを収集するプロジェクト「プレシジョン・メディシン・イニシアティブ(Precision Medicine Initiative)」のための14億ドル、などが含まれる。「21世紀治療法」は、NIHに対して、ハイリスク・ハイリワードの研究のために特別な調達手続きを通して資金拠出することを認めたものとなる。また、本法は、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)に対し、以下の事柄を許可するものとなる。

  • 既存の医薬品の新たな用法の認可を審査する場合、臨床試験による証拠の代わりに要約されたデータ及び「実社会における証拠」を根拠とすること。
  • 重篤且つ治療不可能な感染症に直面する患者のニーズと患者に対する有害性の可能性を検討する際に、リスク・利益分析に基づく新たな抗生物質に関して「限定された集団」に対する認可手段を使用すること。
  • 治療オプションの限定された生命にかかわる疾患の患者のためのブレークスルーとなる医療技術に対する簡易認可プログラムを拡大すること。

なお、「21世紀治療法」の詳細は、以下より閲覧可能。
CONGRESS.GOV:21st Century Cures Act

 

UPI:Obama signs 21st Century Cures Act into law

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
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