【ニュース・アメリカ】大学の経験が就職準備に役立ったと回答した米国大学生は全体の約40%のみ

マクグロウ・ヒル教育社(McGraw-Hill Education)は6月1日、大学生を対象とした3回目となる年次調査報告書『労働力準備度調査(Workforce Readiness Survey)』の結果を発表した。

 

ハノーバー・リサーチ社(Hanover Research)が2016年3月と4月に米国大学の学生1,360人を対象に実施した本調査によると、大学4年生及び大学生全般において、大学での経験が就職準備に役立ったと回答したのは全体の40%に留まることが明らかにされた。特に、人文科学専攻学生及び女子学生において、就職に対する自信が低いことが明らかになった。

 

具体的な調査結果は以下の通り。

 

・就職に対して「十分に準備ができている」と回答したのは、男子学生24%、女子学生19%。一方、大学での経験に「満足している」と回答したのは、男子学生74%、女子学生82%。
・就職に対して「全く準備ができていない」と回答したのは、芸術・人文科学専攻学生では全体の18%であったのに対し、それ以外の分野の専攻学生では6%。
・キャリアの将来性に関して楽観的と回答したSTEM分野専攻学生の割合は73%であったのに対し、芸術・人文科学専攻及び社会科学専攻学生ではそれぞれ61%。
・就職準備度及び大学での経験に対する満足度は、コミュニティカレッジの学生と4年制大学の学生ではほぼ同じ。
・2014年と2016年の調査結果を比較して、大学に対する要望が増加したのは、インターンシップ・専門的経験の提供(59%→67%)、就職準備に重点を置くための時間の提供(47%→59%)、就職準備のためのツールへのアクセス改善(38%→47%)、卒業生とのネットワーキングの機会提供(22%→34%)など。
・大学在学中にキャリア計画を立てることは「非常に重要」と回答した学生は、2014年の66%から2016年には71%に増加。また、卒業後の就職に役立つ専攻を選択した学生の割合は、2014年の48%から2016年には61%に増加。
・就職先にとって魅力的な採用候補となるために重要な能力として、人間関係スキル(78%)が、成績・GPA(67%)、需要の多い分野での学位(67%)、インターンシップ体験(60%)などを抑えて第1位。しかし、半数以上の学生が、大学在学中にネットワーキングの仕方・仕事の探し方を学んでいない(59%)、もしくは就職面接での自己表現の仕方を学んでいない(58%)と回答。

 

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
McGraw-Hill Educa/on 2016 Workforce Readiness Survey[PDF:1.66MB]

 

McGraw-Hill Education:Only 40 Percent of College Seniors Feel Their College Experience Has Been Very Helpful in Preparing for a Career

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の就職
統計、データ 統計・データ