【ニュース・アメリカ】国務省のギルマン国際奨学金プログラムの下で留学した米国人学生、海外経験がその後の学術・キャリア選択に影響

国務省(Department of State)は、コロラド州デンバーで開催されたNAFSA国際教育者協会(NAFSA: Association of International Educators)の年次総会において、国務省が進めるギルマン国際奨学金プログラム(Benjamin A. Gilman International Scholarship program)の評価報告書を発表した。

 

本プログラムは、低所得層学生を対象とした連邦奨学金「ペルグラント(Pell Grant)」の受給資格を有する学生を対象とした海外留学・国際インターンシッププログラムである。

 

本評価報告書は、2002~03学年度から2009~10学年度の間に同プログラムで留学した学生1,591人からの回答に基づいて作成されたものである。これによると、同プログラムに参加した学生は、海外での体験を基盤として将来の学術・キャリア選択を行っていることが明らかにされた。

 

具体的な調査結果は以下の通り。

 

・ギルマン国際奨学金プログラムの下で留学後、米国大学学士課程に復学した学生1,441人のうち、35%は国際・異文化関連に重点を置いた分野を専攻・副専攻し、31%は同分野に重点を置いた学士研究プロジェクトを実施。
・同プログラム参加者で、大学院進学・卒業した学生819人のうち、36%は再度留学をしたか、もしくは、国際関連分野での研究を追求。48%は国際・異文化に重点を置いた専攻。
・同プログラムに参加した調査回答者の73%は、仕事をしたいと思う地理的範囲が拡大したと回答。67%は国際・異文化関連分野での仕事に対する願望が強くなったと回答。39%は国際関連に重点を置いたキャリアへ方向転換をしたと回答。
・回答者の44%は、家族で最初の大学進学者。
・2013~14学年度のギルマン奨学金による留学生の中では白人は全体の32%であるのに対し、米国人留学生全体の中では白人の割合は76%。
・ギルマン奨学生の留学先は西欧諸国以外の国が71%であるのに対し、米国人留学生全体では47%のみ。
・ギルマン奨学生の79%が留学中に外国語を勉強したと回答。
・2015年には、ギルマン奨学生定員2,800人に対し、米国大学1,100校から1万人以上が応募。

 

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
THE BENJAMIN A. GILMAN INTERNATIONAL SCHOLARSHIP PROGRAM Evaluation Report[PDF:995KB]

 

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