【ニュース・中国】浙江大学、AI人材育成と学際研究を推進し、次世代AIの開発誓う (2)

 
中国、次世代AIに向けての全貌を描く
 
 「Nature」の関連論文誌「Nature Machine Intelligence」に発表された「中国、次世代AIに向けて」という論文は、中国の次世代
AI発展計画(2015~2030)の形成・発展と実体経済の機能の強化を紹介している。中国はやがてAIエコシステムを立ちあげ、中国のAI発展の
青写真はまさに実際の行動に転換して人類の発展に貢献することになるとしている。

 
 AI技術の急速な発展は、人類の社会生活を大きく変える。「次世代AI発展計画」では、5つのAI技術形態が述べられている。データから
知識・決定までのビッグデータ知能、単一処理型のメディアデータから異なる形態(視覚・聴覚・自然言語)まで総合利用したクロスメディア知能、
「個体知能」研究から群知能へ焦点を当て湧き出す集団的知能、「機械知能」の追求から人間と機械の一体化に向かう知能増幅(Intelligence
amplification、IA)、ロボットからの知能自主システムである。

 
 中国工程院は、2015年に潘教授が取りまとめた「中国AI2.0の発展戦略に関する研究」という重要コンサルティングプロジェクトを
承認し、翌年「我が国の『中国AI2.0』重要科学技術計画の実施に関する提言」が提出された。科学技術部主導の下で、中国工程院は
220名以上のAI専門家を招集し、国務院が2017年7月に発布した「中国の次世代AI計画」を作成した。次世代AIは16番目の「科学技術革新
2030-重要プロジェクト」となった。その後、浙江大学は先頭にたって、教育部が2018年4月に発布した「高等教育機関AI革新行動計画」
を作成した。

 
 「今後5年間のAIの重点は基礎理論研究を突破し、技術と応用を世界トップレベルに押し上げることである」
潘教授によると、中国の「次世代AI発展計画」は、AIに関する科学研究と技術手段などの内容が含まれるだけでなく、AI人材育成と
倫理道徳の制定も指導し、それによってAIエコシステムを育成するものである。「現在、大学・政府・産業間で一種の共同革新
エコシステムが形成されつつあり、次世代AIの発展が推進されている」

 
 AIは内燃機関のような「使える」技術であり、他の技術の潜在能力を呼び起こす力を持っている。「遠くない将来に、
次世代AIはインターネットショッピング・自動運転・スマート医療・IoTなどの分野で突出して機能向上に貢献するようになると
信じている」と言う潘教授によると、未来のある日、IoTは真の対話機能をもつようになり、私たちの臨床診療の流れが変わるかも
しれない。新しい自動運転技術は未来の移動のニーズを満たす。「こうした『ありえない』はAIが研究を深化し続けることによって
『ありえる』へと変わっていく」
 

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 社会貢献