米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)は5月28日、2019-20学年度大学教員給与調査(2019–20
Faculty Compensation Survey)に基づいて作成した報告書「専門職の経済的現状に関する年次報告書、2019-20学年度(The Annual Report on
the Economic Status of the Profession, 2019-20)」を発表した。
これによると、米国大学に勤務するフルタイム教員の平均年収は前年度比2.8%増であったが、消費者価格が2.3%上昇していることを
勘案すると、正味0.5%増であることが判明した。主な結果は以下の通り。
- 2000年代後半の景気後退以降、2015-16学年度までの名目上の年収増加率は消費者価格上昇率を下回り、それ以降は消費者価格
上昇率とほぼ同じ。 - 大学の種類別で見ると、博士課程大学フルタイム教員の年収は、2015-16学年度までは景気後退前レベルを下回り、それ以降は
景気後退前レベルで横ばい。一方、修士・学士・準学士課程大学では、過去3年間の平均正味年収は前学年度比で減少。 - フルタイム教員の約97%は、退職後の年金プランに投資しており、平均投資額は年収の10.7%。
- パートタイム教員の年金プランに投資する大学は全体の35%で、医療保険料の月額支払いに投資する大学は33%のみ。
- 2010-11学年度のフルタイム学生在籍者数の1,300万人をピークに、それ以降は、景気後退前の約1,100万人まで減少。
- 州政府から公立大学への平均補助金支給額は、2007-08学年度は学生1人当たり8,100ドルであったのに対し、2017-18学年度は
7,100ドル。但し州によって格差あり。 - 大学教員全体の50%以上はパートタイム勤務。また、テニュアもしくはテニュアトラックの教員が全体に占める割合は、
2009年には51%であったが2019年には45%に減少。
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
5月28日
American Association of University Professors: AAUP Report Identifies Key Factors to Watch following COVID-19 Pandemic