【海外センターレポート・中南米】中南米各国における学術研究指標の国際比較(データブック)

【概要】
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)は、我が国の学術振興の中核を担う機関として、科学研究費助成事業や、若手研究者の養成、学術に関する国際交流の促進、大学改革の支援などを推進している。サンフランシスコ研究連絡センターは、JSPSの海外センターのひとつとして、これまで北米西海岸を中心として、学術振興機関や高等教育機関との関係構築、セミナー・シンポジウムの開催、在米日本人研究者のネットワーク形成、我が国の大学の海外展開の支援などを推進してきたところである。

・2013年5月、JSPSは新たな国際戦略である「日本学術振興会の学術国際活動に関する基本的な戦略(JSPS国際戦略)」を策定し、海外センターは強固な国際協働ネットワークの構築のために、海外の学術研究動向の情報収集機能の強化、具体的には海外センターレポートの作成を新たに実施することとした。一方で中南米に海外センターが存在しないこともあり、本戦略の中では、中南米地域の情報収集の重要性が指摘されながらも、現行のセンターではカバーすることが困難な地域としている。このため当センターでは、2014年を「中南米重点年」と位置づけ、北米のみならず中南米各国の政府や学術機関、大学等に対してJSPSの事業説明等を広く実施し、情報収集及び関係強化を図ってきたところである。

・本データブックは、当センターが新たに中南米関係の業務を行うにあたって収集・分析した基礎的データを、関係者に広く役立てていただくために海外センターレポートとして公表するものである。データの多くは、OECD、世界銀行、ユネスコなどの国際機関のデータベースを利用して、中南米各国(主にブラジル、メキシコ、チリ)の学術研究に関する客観的かつ国際比較可能な指標を整理したものである。比較にあたっては、日本と当センターの担当する北米各国、OECD各国平均のデータなどを用いた。これらデータを整理することにより、これまで情報が限られていた中南米の学術研究状況について、その輪郭をおぼろげながら把握するに至るのではないかと期待している。ただし、中南米各国に関しては、そもそも国際機関にデータを拠出していない国が多く、入手できるデータ
が古く十分でなかったり、国際比較に耐えうるデータ作成に難があり、この点をどのように乗り越えるかが今後の課題である。今後、中南米各国との連携を検討している大学や研究者、政策担当者の皆様に役立ててもらえれば幸甚の至りである。

・なお、ブラジルの学術状況に関する詳細なレポートは、「振興国ブラジルの学術研究動向~サンパウロ州の学術振興機関・研究大学の躍進に注目して~」(2015年5月、サンフランシスコ研究連絡センター)を参照していただきたい。

なお、レポート全文はこちら(PDF)から閲覧可能。

(サンフランシスコ研究連絡センター)

地域 中南米
アメリカ、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ
レポート 海外センター