【海外センターレポート・ブラジル】大学間協力ネットワークについて

 
ブラジル国内の複数の総合大学では、長年にわたり、情報交換、学術研究、教員や学生の交流、方法論や技術等の交流の促進のため、諸外国の大学と提携した活動が行われてきました。その形態としては、二大学間の学術交流協定にとどまらず、教育や調査研究における資源の最適化や国境を越えた協力を目的とした、知識の移転や人材交流のネットワークを形成する多大学間交流協定がみられます。
 
サンパウロ大学(Universidade de São Paulo:USP)は、ブラジル、コスタリカ、コロンビア、チリ、メキシコ、バルバドス、ペルー、アメリカ、カナダの高等教育機関で構成される「西半球諸大学コンソーシアム」(CUH)に参加しています。
 
CUHはマイアミ大学のイニシアティブで創設され、学生、教員、研究者の活動を促進するための体制を整え、プログラムを実施することで、各大学の教育や調査研究の発展の可能性を探ることを目的としています。*1
 
また、USPは2011年に創設されたUniversity Global Partnership Network:UGPN(大学間グローバル協力ネットワーク)にも参加しています。UGPNには、USPのほかにサリー大学(イギリス)、ノースカロライナ州立大学(米国)、ウーロンゴン大学(オーストラリア)が参加し、独自の体制で調査研究のための基金を保有しており、世界規模の重要な問題に共同で取り組む、国境を越えた協力関係を推進するとの理念に基づき、種々のイベントを実施しています。*2
 
UGPNは、ブラジルのFAPESP(サンパウロ州研究財団)や、サンタンデール銀行が運営するSantander Universities Network(サンタンデール大学ネットワーク)等の学術振興団体・機関と戦略的パートナーシップ関係を結んでいます。また、参加する四大学の共同プロジェクトを推進し、発表された研究論文の数は2011年の32から、2017年には94に達しました。UGPNのコーディネーターは、2018年からサンパウロ大学国内外学術協力局(AUCANI)のラウル・マシャード教授が務めています。*3
 
*1 サンパウロ大学新聞記事:USP integra consórcio internacional de universidadesより
*2 参照リンク(UGPNサイト
*3 サンパウロ大学新聞記事:USP coordena rede internacional de universidadesより
 
サンパウロ海外アドバイザー 二宮 正人

地域 中南米
ブラジル
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
国際交流 国際化、学生交流、研究者交流
レポート 国際協力員