【海外センターレポート・ブラジル】ENEMにかかる新たな方針

 
ブラジルにおいて今年、各々の学生の興味や素質に合った課程の設定(言語、数学、人文科学、自然科学、技術教育の分野で好きな科目を選択)を定めた中等教育新制度が導入されたことで、ブラジル教育省は、新制度に合わせた ENEM(全国中等教育試験)の改変案を発表しました。ENEM は、中等教育の学生の学力を評価するもので、高等教育機関への入学においても重要な試験です。

 
新たな ENEM は従来の通り2日に渡って行われ、一日目は共通課程に関する試験と作文、2日目は、ENEM の受験申込時に学生が選択する分野の試験が課されます。

 
共通課程の試験では、特定の分野の知識と外国語の知識を同時に評価するため歴史の問題文が英語で記述されるなど、より学際性の高い問題が出題されます。また、回答の幅をより広げた、論述試験による学生の思考能力や論述能力の評価も、ENEM 改変案に組み込まれています。

 
各学部への入学に際して、どの分野の試験受験を必須とするかは各大学で決定されます(例えば、数学科への入学希望の学生には数学の試験を課すなど)。また、中等教育で技術者教育課程を履修した学生は、ENE Mの得点を用いた高等教育機関への入学試験において、ボーナス点が評点に加算されます。

 
以上の変更点は全て、教育省、各州の教育局長、国家教育審議会、アニジオ・テイシェイラ国家教育調査・研究院(INEP)のメンバーで構成された作業部会において提案されたものです。

 
3月14日に国家教育審議会はこの提言をまとめた意見書を承認し、教育省が承認すれば、ENEM の方針決定と試験作成をする INEP が検討を行います。中等教育課程が3年間で、今年新制度の中等教育課程を開始する学生は2024年に ENEM を受験することから、新方式の ENEM は同年に導入される見込みとなっています。

 


参照(EBC): MEC apresenta novo Enem; veja as mudanças


地域 中南米
ブラジル
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集
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