【海外センターレポート・ブラジル】「開発のための学問」キャンペーンについて

 
2019年6月27日、サンパウロ州学術研究支援財団(FAPESP)とサンパウロ経済開発局により、「開発のための学問」(Ciência para o Desenvolvimento)と題したキャンペーンの参加への公募が公示されました。(※1
 
このキャンペーンは、サンパウロ州が抱える社会、経済的問題の解決のために、大学、研究機関、企業、第三セクター、政府機関の学術的な経験・知見を結集することを目的としています。FAPESP学術部門ディレクターのカルロス・エンリケ・デ・ブリット・クルス氏は、「このキャンペーンを通じて、問題の解決策を発想し実行できる種々の団体・機関が集結し、経済的な競争力を高める、または市民の生活の質向上のための法律の整備や公共政策の立案を促す力となることが期待される」と述べています。
 
このキャンペーンにより、今後5年間で約4億レアルという金額が動くと推定されています。承認されるプロジェクトへのFAPESPの投資予定額は1億レアルで、企業、非営利団体、政府機関などのプロジェクトの協力機関も同等の金額を投資する計画となっています。また、プロジェクトを主体となって行う機関からは約2億レアルが投じられることが見込まれています。
 
このキャンペーンの目的は持続可能な開発です。したがって、21世紀の農業の生産性と持続可能性、開発のためのエネルギー、先端的製造業、保健・医療(医学、バイオテクノロジー、ワクチン、免疫生物学、診断、癌・肥満・糖尿病・アルツハイマー・高血圧・心疾患の予防と治療)、スマートシティ(移動手段、治安、住居、環境)、教育(質とアクセスの向上)、格差是正、環境と生物多様性の保護など、現代社会の喫緊の課題に密接に関連しているものがプロジェクトの対象分野となっています。
 
サンパウロ海外アドバイザー 二宮 正人
 
<参考リンク>
※1 FAPESP:Pesquisas de relevância social e econômica terão investimento de R$ 100 milhões
JORNAL DA USP:Fapesp lança edital que incentiva pesquisas para resolver problemas sociais
 

地域 中南米
ブラジル
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価
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