【国際協力員レポート・アメリカ】米国におけるリサーチ・アドミニストレーション

【概要】
リサーチ・アドミニストレーションという言葉は昨今、日本でもよく聞かれるようになってきた。研究費獲得から研究の適切な管理・運営に至るプロセスは複雑で、研究者が研究そのものに費やせる時間が減少している。
2002年から2008年にかけて総職務時間が増加したのに対して、年間の研究時間は300時間以上減少していることが分かる。競争的資金獲得には申請書作成から、資金の適正な管理・運営等、研究そのもの以外にすべき仕事が沢山あり、研究者に負担が生じる。そのため、研究資金の調達・管理、知財の管理・活用等をマネジメントする人材を確保する必要性が生じている。
米国では、この様な研究以外の事務作業や適切な運営をサポートする職種が以前から存在していた。これがリサーチ・アドミニストレーターである。この職種は第二次世界大戦前後の米国で生まれ、その誕生から半世紀以上経過し業務は複雑化したとはいえ、当たり前の様に大学に根付き一組織として機能している。
日本においても、文部科学省が平成23年度から「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」(リサーチ・アドミニストレーションの整備) 事業を開始し、日本のリサーチ・アドミニストレーター育成に力を入れ始めている。筆者が所属する大阪大学においても平成24年度の同事業の採択を受け、大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室にURAチーム が発足した。
本報告書では、日本におけるリサーチ・アドミニストレーションの紹介後、米国大学等でのインタビューに基づいて、米国におけるリサーチ・アドミニストレーション組織の概要、教育制度やリサーチ・アドミニストレーターのキャリアパス、そして米国におけるリサーチ・アドミニストレーターの職能団体の活動を紹介する。
なお、本報告書では日米両国のリサーチ・アドミニストレーターをRA、RAが所属しているオフィスをRAオフィスという名称で統一する。

本報告書は、以下の国際協力員によって作成された。

なお、報告書全文はこちら(PDF)から閲覧可能。

【氏名】 奥野 篤志
【所属】 大阪大学
【派遣年度】 2014年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ワシントン研究連絡センター

地域 アジア・オセアニア、北米
アメリカ、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事
人材育成 教員の養成・確保
レポート 国際協力員