【国際協力員レポート・アメリカ】新型コロナウイルスが 米国正規課程日本人留学生に及ぼした影響

 
本稿は、2020年2月以降の新型コロナウイルスの流行が、米国正規課程日本人留学生に及ぼした影響について、まとめたものである。海外への渡航制限は、新型コロナウイルスがもたらした大きな制約の一つである。日本のメディアでは、大学在籍中に海外の大学へ交換留学する学生のことは多く取り上げられたが、海外の大学への学位取得等を目的とした直接入学者(所謂、「正規留学」)の情報は、余り見受けられなかった。

 
筆者が、2020年度日本学術振興会(以下、JSPS)国際学術交流研修生として2020年4月から2年間の研修を開始した矢先に、新型コロナウイルスが拡大した。本研修は、JSPS東京本部での1年間の国内研修を経て、翌年JSPS海外センターでの1年間の海外研修に派遣されるものであるが、2020年度海外研修は全面中止となった。2021年度海外研修は実施されることになったものの、派遣の中止・延期を希望する者、一度は派遣を希望したものの状況が改善せず渡航を見合わせた者、最終的に派遣された者と様々であった。個々の最終判断は異なるが、その決断の背景には、複数の要因が交錯していた。研修生として自身が置かれたこの境遇は、立場は異なるが留学生と非常に似通っているのではないかと考えた。そこで、留学生はどのような状況であったか、このような関心が本調査の出発点にある。

 
本稿は、5章から構成される。1章は、コロナ禍における米国の留学動向について、その概観を提示する。2章は、日本人の米国留学事情に詳しい日本の留学関連機関2機関に対して、コロナ禍における日本の米国留学の動向について、聞き取り調査を実施した、その概要と結果を提示する。3章は、2つの留学関連機関を通じて実施した「米国大学・大学院正規課程日本人留学生を対象としたアンケート」調査の概要とその結果を提示する。4章は、3章のアンケート調査を通じて募った米国正規課程日本人留学生への個別インタビューの概要とその結果を提示する。5章では、1-4章を通じて、新型コロナウイルス流行下において、調査対象者がどのように留学に関わる意思決定を行い、留学生活にどのような変化が生じたのか、そして、受入機関の留学生対応・支援について、考察する。

 
なお、報告書全文は こちら から閲覧可能(PDFファイル:約1MB)


【氏  名】  國政 歩美
【所  属】  大阪大学
【派遣年度】  R2
【国内研修所属課・室】 人物交流課
【派遣先海外研究連絡センター】 ワシントン


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
国際交流 国際化
レポート 国際協力員