【ニュース・中国】新たな校史誕生 985指定校発表の論文が『ネイチャー』誌に掲載

 
2022年8月31日、北京理工大学物理学部の周家東教授と姚裕貴教授、北京大学の呉孝松教授、日本の末永和教授、南陽理工大学の劉政教授が、「Nature」誌に論文『面内異常ホール効果を有する異次元超格子」を発表しました。この中で研究チームは、まったく新しい異次元構造物質を構築し、この物質に室温での面内異常ホール効果を観察した。この構造構築の成功は、伝統的な物質と構造の認識を打破し、新規物質と新規物性の研究に新たな方向性を開くものである。
 

この論文は、北京理工大学建学以来、国際的トップジャーナル「Nature」に完成段階として掲載された初の論文であり、ゼロからのブレイクスルーを達成したものであると報告されている。

 
一般に超格子構造とは、異なる母材料を一定の周期で配列することにより、母材料とは異なる新物質を形成するものである。この新構造を有する物質は母材料にはない新たな性質を示すことがある。例えば、強磁性、強誘電性、超伝導などの性質がそれである。これらの性質は、エレクトロニクス、光エレクトロニクス、新情報デバイスの分野で潜在的な応用価値があるとされている。従来の超格子構造は主に、3D-3D、2D-2D、1D-1D 構造など、同次元の物質を一定の周期で配列・結合することで形成される。また、これら従来の超格子構造は、主に分子線エピタキシー法という手法で生成されている。

 
2 次元 (2D) 材料の発見は、新しい超格子構造の構築に新たな可能性をもたらすものである。構造構築とは、異なる2D材料やその他の構造材料から、人工構築または化学蒸着法により、異なる次元のインターカレート構造または異なる次元の異種構造を構築することを指す。しかし、1970年に提起されてから現在までに生成された超格子構造を見ると、異次元の物質から構成される真性超格子構造の実現は特に困難である。

 
この難題に対して、周家東教授らは、まったく新しい異次元超格子構造を提案し実現した。すなわち、2Dと2D、1Dによる異次元超構造とこれらの交叉配列により、まったく新しい 2D-1Dの真性異次元超構造を形成した。この物質の独特な構造により、超構造は室温で特に異常な面内ホール効果を示す。この新発見は、新規物質を構築し、新規物性を発見するためのまったく新たな方向性を切り開いた。

 
北京理工大学 2022/09/02


青塔: 打破校史!985高校,发Nature


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中国
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