【ニュース・中国】丘成桐:10年以内に中国本土から世界最高峰の数学者輩出を期待

 

8月21日、第13回丘成桐大学生数学コンテストの決勝戦が合肥で閉幕した。1日半に及ぶ熾烈な戦いの末、清華大学、北京大学、中国科学技術大学、復旦大学などの高等教育機関から参加した101名の選手の中から、68個の賞の受賞者が決定した。

 
当日夜に行なわれた表彰式では、コンテスト委員長で清華大学特別招聘教授の丘成桐氏がスピーチし、現在の中国における数学専攻の大学生はすでに世界レベルに達していると表明した。丘教授は、ハイレベルな大学院生は基礎科学の発展に極めて重要な役割を果たすと述べた。また、10年以内に中国本土から世界最高峰の数学者を輩出し、最良の論文を発表し、世界一流の学問を生み出し、中国の数学を新たなステージに導くことを希望した。

 
今回のコンテストにおいて、清華大学から参加した選手は、3つの個人種目別金賞、1つの個人オールラウンド種目銀賞、2つの団体銀賞を含む計24個の賞に輝いた。清華大学求真書院2021年度入学生の林奕然さんはコンテスト初参加だったが、個人種目別・分析と偏微分方程式で金賞、幾何学とトポロジーおよび代数・数論・組合せで銅賞を受賞した。北京大学から参加した選手は、団体金賞、個人オールラウンド種目金賞、確率・統計および代数・数論・組合せの2種目の個人金賞を含む計22個の賞に輝いた。

 
また、中国科学技術大学から参加した選手は、2つの個人種目別銀賞、2つの個人オールラウンド種目銅賞、2つの団体銅賞を含む計14個の賞を受賞した。西安交通大学から参加した選手は、幾何学とトポロジーで金賞、個人種目別銅賞を受賞した。復旦大学から参加した選手は、個人種目別銀賞、銅賞を1つずつと、団体銅賞を受賞した。北京師範大学および南京大学から参加した選手は、それぞれ個人種目別銀賞を受賞した。香港中文大学(深セン)から参加した選手は、個人種目別銅賞を受賞した。

 
今回のコンテストは、清華大学丘成桐数学科学センターの主催、中国科学技術大学数学科学学院の運営で開催された。今年2月の申込み開始以降、清華大学、北京大学、復旦大学、中国科学技術大学、香港中文大学、台湾大学など、525の大学の3,240名の学生が個人種目に、54チームが団体種目にエントリーした。第13回目となる今回のコンテストは、これまでで最も広範囲かつ多数の応募があった。

 
今年のコンテストは幾何学とトポロジー、代数・数論・組合せ、確率・統計、応用とコンピュータ数学、分析と偏微分方程式という5つの分野を基本に、初めて物理数学分野が加えられ、ヘルマン・ワイル賞と名付けられた。

 
今年の決勝戦の審査では、オンラインとオフラインのハイブリッド形式が採られた。コンテストには33名の著名数学者が審査員として招かれ、数学の基本知識および思考力を問う問題が出題され、学生の数学における基本的資質と潜在的発展力が総合的に評価された。

 
清華大学丘成桐数学科学センターの担当者によれば、丘成桐大学生数学コンテストは2010年の創設以降、優秀な大学院生を発掘し選抜する重要な場となっている。これまでに、中国本土、香港、台湾地域から合計1万6,000人あまりの大学生が参加しており、受賞者720名の約半数は、清華大学、北京大学、ハーバード大学、イェール大学、MITなど中国内外の名門大学に進学している。

 
2022/08/22


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地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
顕彰 顕彰