【ニュース・中国】今年の卒業シーズンの就職市場は「クラウド採用」が主流:ライブ配信が就活の新たな架け橋に(1)

 
6~8月は高等教育機関の卒業生の就職活動にとって重要な時期である。長期化するコロナ禍の影響で、今年の企業説明会・面接は例年と異なり、革新的な求職需給マッチング方式の「ライブリクルート」が盛り上がりを見せ、「クラウド」上で「コード」を使って就職活動が行えるようになった。若者に人気のこうした採用モデルは今後も続くのだろうか。

 
「社宅や寮はありますか」「この職位は出張が頻繁にありますか」「職種と専攻がマッチしていませんがどうすればいいですか」「給与・待遇はどうですか」「新入社員にはどのような研修が用意されていますか」。このほど広東省中山市人的資源・社会保障局が開催した「智匯中山」というデジタル化型設備製造業志望者向けのライブリクルートイベントでは、大洋電機、華帝股份、聯合光電などの現地企業7社の人事担当者と1万人以上の求職者が「モニター越しに」リクルート活動を行い、人気を博した。

 
長期化するコロナ禍の影響で、今年の卒業シーズンは、学内での企業説明会・面接会や学外での就職活動を計画どおりに行うことが難しい状況であった。そうした中、ライブリクルートが求職者と採用企業との間の懸け橋となり、今年の就職活動の主な形態となった。もともと非常時の対応措置であったものが、今や労働市場の通常活動となっている。

 
ライブ配信企業説明会・面接の様子

 
中山市人的資源・社会保障局が開催した「智匯中山」というデジタル化型設備製造業志望者向けのライブリクルートイベントでは、一方で人事担当者が企業側のニーズや募集職種、福利厚生などをオンラインで説明し、他方で1万人を超える求職者がメッセージを送信(画面を横切る字幕として表示される)して詳細な採用情報について尋ねる形で、会場において活発なやり取りが行われた。

 
「私たちは従来型の製造業企業ですが、工場のデジタル化を進めており、高精細かつ最先端の理工系人材を早急に求めています。ふさわしい人材がいれば、世界中を探してでも採用したいと考えています」。中山大洋電機股份有限公司の採用責任者である陳耀氏によると、今年は約70%の新入社員をオンラインで募集したという。「ライブリクルートはとてもよい形式です。我が社はこの2年間比較的採用を増やしていますが、楽しんで採用活動をしています。」

 
コロナ禍の影響で、ライブコマースがブームとなる中で、ライブリクルートは登場した。通常のオンライン就活と比べ、ライブリクルートでは特定の業種や専門にフォーカスすることが多い。1回3~4時間のライブリクルートイベントでは特定の業種や地域の企業の類似した職種が集中する。

 
ライブリクルートは、求職者にとっては、正確な採用情報を得ることができ、大幅な時間と労力の節約になる。それ以上に、縦方向、横方向の比較により、自分のスペックに適した職を見つけられる点が重要である。採用側にとっては、オフラインでの採用活動を予定どおり行えないという問題を解決し、15分程度で企業の概要や求人要件を直截に説明することができる。また、求職者が企業の採用窓口に直接登録し、採用責任者と「ペア」になって踏み込んだ交流を行うこともできて、労使双方の関係構築に役立っている。

 
今年、福田グループは複数のインターネット求人プラットフォームでライブリクルート形式を採用した。同社の人的資源部人材採用部門担当者である林小丞氏によると、「このような方法は企業にとって時間的コストの節約にもなります。全国に200校余りある、専門領域にマッチした高等教育機関を一つ一つ訪れる必要がなくなります。大型機械や車両を会社の広場に並べ、直接学生に見せれば、将来どんな仕事をするのか伝えることができます。しかもライブリクルートは、参加する卒業生が比較的多く、質問も活発に行われ、コミュニケーションも取りやすいです」という。

 
国内でいち早くライブリクルートを取り入れたのは智聯招聘である。同社がこの面で行ってきたこれまでの改善は、まさにヒューマンリソース業界がオンライン採用分野で模索してきたことの縮図である。

 
2019年6月、智聯招聘は動画面接関連商品を発売した。2020年初め、コロナ禍の突発に際し、当時は小規模で試験的に使われていた動画面接関連商品を急速に普及させ、従来の企業説明会・面接、就職説明会をクラウド上に持ち込んだ。2021年初めには、いち早くライブ配信と面接を組み合わせ、モバイル端末をベースに業界初の動画ライブ配信型人材募集を開始した。これにより、労使双方がライブ配信ページで素早く関係を構築することが可能となり、就職・採用活動の効率が大幅に向上した。求職者はライブ配信型就職活動にリモートで参加でき、気になった求人があればマイクをオンにしてコミュニケーションをとるか、ワンクリックで履歴書を送り、求人企業と効率的に意思疎通を図ることができる。この機能がリリースされて2週目には、視聴者数が83%上昇した。

 
2022年1月、智聯招聘は企業・求人の動画紹介などの機能も追加し、求職者が求人を選択する段階で動画により企業や求人の状況を知り、さらには実際の職場の状況や環境、チームの雰囲気、在職者の業務状況を確認することができるようにした。地方の求職者にとって、これは現地での「予備調査」にかかる時間と交通費の大幅な節約になる。データによると、動画紹介付きの求人情報では、求職者のクリック率が50%アップするという。

 
智聯招聘の担当者の説明によると、動画エコロジーは智聯招聘の重点戦略となっている。可視化製品は人材募集、人材開発などの業務からなる多様な業務の範囲で広く応用され、求人や企業紹介、面接コミュニケーション、人材開発の全場面をカバーする動画エコシステムを形成している。

 
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澎湃新闻: “云招聘”成今年毕业季就业市场主流:直播带岗搭建新桥梁


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