【ニュース・中国】光明日報:名門校卒業生の「地方の末端公務員への応募ブーム」は、就職の新たな流れを反映している

 
最近、清華大学、北京大学の卒業生の選択が話題を集めている。メディアの報道によると、2021年の北京大学出身の「選調生(訳注:選抜・調整生。各省の党委員会が幹部候補生として採用・育成する職員)」の契約人数は800人に達し、全国31の省・自治区・直轄市をカバーしている。2010年以降、北京大学が全国に送った選調生は2,200人を超えた。清華大学が発表した統計報告によると、2021年の同校の新卒者のうち200人余りが、西部、東北地区の末端公共部門に就職し、100人近くが浙江、四川などに赴任した。

 
これまで清華大学、北京大学の卒業生が卒業後どこへ向かうのかは、社会から注目され、期待もされてきた。ここ2年間、一部の卒業生は、大学院進学や北京に残る機会を放棄し、選調生試験を受けて、末端組織に下り、帰郷することを選択した。これは現代の青年が末端組織の管理と公共サービス部門に積極的に身を投じる情熱を持っていることをある程度反映している。外資系企業に群がり、中関村に殺到することから、大手インターネット企業への熱中、さらに選調生を好む若者まで、大学卒業生の就職傾向は、個人の自由な選択でありながら、社会と時代の変化を反映し、社会の就業に対する姿勢と人々の認識をひっそりと変えている。

 
現在、各地の末端組織は貴重な発展のチャンスに直面しているだけでなく、様々な挑戦に対応する必要もあり、優秀な人材に対する渇望はこれまでよりずっと強い。体系的な高等教育を受け、高い文化的素養と学習能力を備え、強国の理想を抱き、末端に奉仕することに喜びを見出す大学卒業生は、各地ですぐにも必要とされている人材資源である。選調生試験を通じて、優秀な新卒者を選抜し、党や政府機関の高度人材として重点的に育成することは、末端組織の人材需要への回答となるとともに、このような研鑽は有意な青年の急速な成長に資するものである。

 
末端公務員は高度な知識と学歴を必要としないため、名門校の卒業生が末端組織に行くのは能力の浪費だという見方がある。このような見方は必ずしも科学的ではなく、少なくとも全体的ではない。国を治めるには人材が重要である。現在、国内外の情勢は複雑で厳しく、わが国の経済発展もある程度の圧力に直面している。経済が発展し、民生が改善しても、農村振興が推進され、共同富裕が促進されても、真に思想、見識、能力、人間性を備え、奉仕精神を持った青年が必要である。科学研究、発明・創造、技術的ブレークスルーを果たすには優秀な青年が必要であり、国防、教育、末端組織の管理にも同様に優秀な卒業生が必要である。志を持ったすべての青年がそれぞれの職場で輝き、情熱を持つことが、社会の革新・創造の活力の源である。

 
清華大学、北京大学の卒業生の傾向から見ると、ここ2年間で選調生試験を受ける人は増えているが、末端組織の実情を見ると、現在のところ、清華大学、北京大学などの名門校を卒業した幹部は多くない。これは、これまで名門校卒業生は主に一級都市で就職することを考えていたことと関係がある。目下、一部の優秀な卒業生は積極的に選調生試験をを受け、学んだことを末端組織や故郷、辺鄙な地域に還元することを望んでいる。このような選択は末端の幹部・大衆の期待に合致しており、奨励・肯定されるべきである。

 
末端に奉仕する志のある大学卒業生に対して、各地には賢明な若者を求める誠意と明確な選抜基準がなければならない。名門校出身ということではなく、徳才で選抜され、「徳だけが挙げられる」という方針で選抜の公平性を保証しなければならない。同時に、人材を受け入れて大切にする態度も必要であり、人材を育成し、よく用いるような制度を整えることも必要である。青年が才能を発揮する機会を多く創り、その創造性を仕事に生かして、庶民に幸福をもたらし、仕事に新局面をもたらすことを助けなければならない。末端に「沈下」した青年も、農村振興という時代の波に乗り、勇敢に奮闘し、常に思考の弓を張り、時流に劣らない成績を挙げなければならない。

 
2022/03/21


澎湃新闻: 光明日报刊文:名校毕业生“选调热”折射就业新态势


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