注目すべきは、これらの動画の視聴者の大半があまり高齢ではないことだ。2021年に開催された中国のオンラインパフォーマンス（ライブ配信と短編動画）業界の年次総会で bilibili 公共政策研究院の谷雨院長は、同サイトのアクティブユーザーは2億2,300万人で、その平均年齢は22.8歳であることを明らかにした。

 
「現在、モバイルインターネットはますます主流となり、動画コミュニティや短編動画プラットフォームを通じた日々の学習は、大多数のティーンエイジャーの間でごく普通の選択と習慣となっており、動画やライブ配信の視聴は、これまでの偏見にあったような暇つぶしの娯楽ではなく、学習といった主流の文化機能も付与されている。」中国芸術研究院の孫佳山副研究員は、記者団にこう語った。

 
復旦大学教授の李若山氏は「復旦山兄」に変身、会計知識で社会のホットな話題を読み解き、教えと学びの両立を実現

 
復旦大学管理学院会計学部の教授である李若山氏は、新中国初の監査博士、上海証券取引所上場企業専門委員会委員など、多くの肩書を持つ。だが、bb ではレベル6のユーザー「復旦山兄」である。

 
2020年6月、李若山氏は自分のアカウントを登録し、瞬く間に多くのファンを獲得した。「中国の金融システム」について語る動画は50万回以上再生されるなど、社会のホットな話題を会計学で解説している。

 
李若山氏は記者団に対し、2020年の新型コロナウイルスによる感染拡大と学校での厳しい管理体制が「オンライン講義」への入門となったと語った。「当時は自宅から出られない人が多かったので、オンライン授業にも目を向けました。復旦大学管理学院では、動画サイトと提携し、一部の講座をオンラインで公開するようになりました。その後、私の動画がよく再生されていると感じたのか、別枠でコラムを持てないかと連絡があり、やってみようと思ったのです。」

 
大学の一般教養の授業は数時間、あるいは丸一日かかるが、動画は7～8分、あるいは20分以内と短時間で終わる。「最初はあまり慣れていなくて、細分化されすぎていると思ったのですが、ここには若い人がたくさんいて、彼らの考えを知ることができたので、実はこうしてコミュニケーションを取ることが教えたり学んだりすることなのだと楽しくなってきました。」

 
李若山氏の個人アカウントには、さまざまなトピックが取り上げられる。獐子島のホタテや、夜逃げする社外取締役、さらには人気テレビドラマの事件など、李氏が描く話題は尽きない。「ホットな話題を取り上げ、生活に密着した事例を用い、専門的な知識と合わせて講義することで、人々はより気軽に耳を傾けることができるようになります。」

 
また、ネットユーザーからのコメントも閲覧している。「みんなのコメントは、必ず私の力になる。また、お互いに交流するという点では、自分自身の勉強にもなります。」
これまで制作した動画の中で最も印象的なものについて語る李若山氏は、いくつかの銀行、保険会社、信托機関が絡んだ事件を思い浮かべている。彼はこの事件を追っている人たちの多くが若者であることに気がついた。「若い人たちが国の行事に関心を持ち、反腐敗キャンペーンや8つの中央法規を意識し、腐敗を非常に憎んでいることがとても印象的でした。」

 
記者は、李若山氏の個人アカウントに、講義のほかに、家族でコンサートを行うなど、余暇を過ごす動画があることを発見した。「学問の場では真面目な私ですが、プライベートではとてもリラックスしていて、自分なりの普通の心を持っています。人生のさまざまな状態に直面し、人にはさまざまな役割があり、普段は引退した生活を送る老人です。普通の人と同じように接して、もっと議論してほしいし、特に、いろいろな意見が聞けることを楽しみにしています。」

 
2022/02/21

澎湃新闻：　打破传统学习模式时空限制，专家学者“出圈”引发网课热潮