11月18日付の清華新聞網によると、世界トップクラスの数理物理学者ニコライ・レシェティキン氏がこのほど清華大学に着任し、この秋学期にすで
に「結び目と3次元多様体の不変量」という講義を開設したという。
上述の情報によると、レシェティキン教授は量子群理論の創始者の一人で、また RT 不変量の創始者の一人、量子可積分系理論の重要な推進者、ポアソン
幾何学とシンプレクティック幾何学への重要な貢献者、量子カッツ・ムーディー代数への重要な貢献者、さらに量子重力に関する 6j 記号の創始者でもある。
レシェティキン教授は、国際数学者会議に二度招待されて発表をしており、その研究は、可積性、量子相関分野および対称などいくつかのテーマに
焦点を当てており、対称相関、表示論、リー群、リー代数、量子群などの異なる方向を網羅している。
2020年冬、同教授は、清華大学の数学科学センター長を務める数学者の丘成桐教授の招きを受け、清華大学で教鞭を執ることを決めた。同教授は
清華大学で一連の研究を完成することに期待している。その研究は、主に量子場論、対称、統計力学の3つの課題を中心としており、可積分性を指針
とすることで一貫している。
清華大学数学科学センターの劉正偉教授は、「レシェティキン教授は、低次元トポロジー、結び目理論、量子群表示などの分野で基礎を固める多く
の研究を行ってきた」とし、同分野の研究者からは、同教授の「研究の範囲は広く深い」と評されている。
丘成桐教授によると、レシェティキン教授は、フィールズ賞受賞者のコーチェル・ビルカー氏と共に、世界的碩学として清華大学の求真書院(QZ
カレッジ)の学生たちを率いて、次世代をリードする数学者の育成に力を注ぐという。
澎湃新聞で既報のとおり、フィールズ賞受賞者のコーチェル・ビルカー氏は今年6月、清華大学に正式採用されている。イラン出身の同氏は、英国籍
の数学者で、元ケンブリッジ大学教授である。2004年にノッティンガム大学で博士号を取得し、双有理幾何学の分野で重要な貢献をしており、特に
極小モデル、特異点、線形システムについて持論を有する。2018年、双有理幾何学に飛躍的な進展をもたらし、40歳に満たずして「数学界のノーベル
賞」と呼ばれるフィールズ賞を受賞した。清華大学着任後は、求真書院(QZカレッジ)で教鞭をとり、「丘成桐数学リーダー人材育成計画」の推進に
も携わっている。中国人以外のフィールズ賞受賞者が中国の大学に招聘されるのは初めてのことである。
清華大学求真書院(QZカレッジ)は今年4月に設立され、院長は丘成桐教授である。同書院の設立は、清華大学の革新的な人材育成モデルと人材育成
の質の向上を積極的に模索するもので、主に「丘成桐数学リーダー人材育成計画」の高いレベルでの実施、高い質の推進のため、包括的な支援と保証
を提供することを目的とする。
2021/11/19
澎湃新闻: 国际顶尖数学物理学家尼古拉·莱舍提金入职清华
地域 | アジア・オセアニア |
国 | 中国 |
取組レベル | 大学等研究機関レベルでの取組 |
行政機関、組織の運営 | 組織・ガバナンス・人事 |
大学・研究機関の基本的役割 | 研究 |
国際交流 | 国際化 |
人材育成 | 研究者の雇用 |