【ニュース・中国】教育部:中国の大学受験「高考」に「内部指標」は存在せず 「合格枠買える」等の 詐欺に注意

 
2021年の普通高等教育機関の合否結果がまもなく発表される。しかし、犯罪者は、受験生や保護者が合格通知を待つ間の緊張感と切羽詰まった
心理状態を利用し、「合格の罠」を仕掛けてくる。

 
高等教育機関に合格するためには、中国の大学受験「高考」の成績が、出願した高等教育機関の合格ラインに達している必要があるが、あわよくば
と期待したり、不確かな噂を信じるのは禁物だ。詐欺の遣り口を見極め、騙されないようにしなければならない。

 
受験生および保護者に対し、教育部はそう警告する。以下によくある詐欺のパターンと典型事例を掲げておく。

 
「大学の合格枠買える」と騙す

 
【事例】2020年5月30日、被害者・陳氏はあるサイトで陸と名乗る男と知り合った。陸は被害者に対し、子供をもっといい学校に合格させてやる
と告げ、陳氏はサイトを通じてやり取りを繰り返すうちに、陸を信じるようになった。

 
その後、陳氏は陸に合計7万8,000元を分割で支払ったが、約束の学校に合格できなかったばかりか、金を騙し取られ、夢と金銭のいずれも失う
ことになった。10月8日、人民警察は陸容疑者を逮捕した。

 
【注意喚起】「高考」の合否結果が発表になる時期は、子供に対する保護者の期待を利用し、文書偽造、私印偽造、偽の出願および問合せ先電話番号を設ける
などして、高等教育機関の入学関連手続き担当職員や学校幹部の親戚などを騙り、高等教育機関の「内部指標」「融通計画」「指定枠募集計画」「低得点者
救済計画」「補欠合格」などがあると騙して詐欺を働く犯罪
が続出する。

 
教育部の禁止令「してはならない30項目」には、以下の禁止事項が明記されている。

  • 無闇に高等教育機関の学生募集規模を拡大したり、高等教育機関の学生募集計画を調整したりしてはならないこと。
  • 無計画またはみだりに計画規模を超過して学生募集を行ったり、計画・管理された要求に違反して計画を調整したりしてはならないこと。
  • 省級学生募集事務局が点数による学生振り分けの業務フローに違反し、または政策外に基準を引き下げ、関連の高等教育機関に受験生の
    身上調書を送付してはならないこと。
  • 規定の学生募集の手続きに違反して基準を引き下げて受験生を合格させたり、基準に適合する受験生を不合格にしたりしてはならないこと。

 
「高考」の合格に、いわゆる「内部指標」は存在しない。受験生および保護者はこの手の「大学の合格枠を買える」といった詐欺情報に特に気をつけ、正規ルートで「高考」の学生募集要項および情報を把握・確認し、決して騙されないようにしなければならない。

 
正規教育と非正規教育を意図的に混在

 
【事例】謝さんは息子の「高考」の成績が振るわなかったことから、知人のツテで劉を知り、有名なX大学への入学の便宜を図ってもらおうとした。
劉は、第三者を通じ48万5,000元を支払えばX大学のビジネススクールに入学できると言った。

 
9月中旬、劉はX大学人的資源管理高級研修班の合格通知書を謝さんに渡し、実際に授業を受けるのはX大学のビジネススクールで、合格通知書の
学部名が違うのは、学校側が批判を惧れ敢えて隠したためだと説明した。

 
謝氏は劉に付き添われ、X大学国際交流センターの職員に学費等5万2,000元を支払ったが、後にそれが短期研修班であることに気付き、
息子を退学させた。劉は返金を拒否し、懲役8年の刑に処せられた。

 
【注意喚起】近年、故意に正規教育と非正規教育の区別を曖昧にし、大検クラスやオンライン教育、提携校コース等の入学通知書で受験生や保護
者を騙す犯罪者や悪徳仲介業者が後を絶たない。正規教育に見せかけ、非正規教育の生徒を募集する教育機関も存在する。

 
学生募集の類別により、入学条件は異なる。普通高等教育機関の正規教育の学生は必ず「高考」を通じて選抜されなければならない。上記の
「合格通知書」は、国が学歴を承認する普通高等教育機関の合格通知書ではないため、「入学」後も新入生学籍電子登録はできず、当然ながら
普通高等教育機関の卒業証書も授与されない。

 
2021/07/08
 


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