【ニュース・中国】大学生の就職活動が佳境に 就職・起業促進の「太陽作戦」がそろって効力発揮(2)

 
市場メカニズムによる雇用を拡大するとともに、政策によって設けられた臨時ポストでの人材受入れ効果を発揮しなければならない。中国共産党中央組織部、
人的資源・社会保障部、教育部、財政部などの部門は先ごろ、2021年から2025年にかけて、第4次高等教育機関卒業生「三支一扶」(教育・農業・
医療支援と農村振興扶助)計画を実施することを決定した。毎年約3万2,000名の高等教育機関卒業生を選抜し、末端の現場に派遣する。

 
各地方も、高等教育機関卒業生の就業「基盤」を安定させるべく行動を加速している。福建省は2021年度卒業生の就業「百校百日難関攻略行動」を
開始し、高等教育機関卒業生の就職活動最盛期の今、全力で卒業生の早期内定・満足いく就職を推進している。

 
河南省、甘粛省、湖南省は、卒業生特別募集説明会、就業促進月間などを集中的に開催している。

 
中でも、新業態の就業・起業面における潜在力を発掘し、就業・起業ルートを拡大することが焦点になっている。例えば、青海省はデジタル経済、プラットフォーム経済における就業機会の発掘に積極的で、各種補助金や用地支援などの政策を通じ、卒業生が個人経営、シフト労働制・短時間勤務、プラットフォーム型就業(クラウドソーシング・在宅ワーク)などに従事する支援を行っている。

 
浙江省は指導意見で、段階的にeコマース研修を実施するとともに、「インフルエンサー」による職業研修ライブ配信を計画するよう促している。今後は、
産業の発展、企業の雇用、市場の需要などを考慮し、職業技能研修の正確性と適合性を高め、多くの人が質の高い就業・起業を実現できるように
していくことが求められる。

 
「新しい就業形態は、就業規模を拡大し、イノベーションの原動力を育む上で、大きな成長力と潜在力を秘めている。今後は新しい就業形態を規範的
で秩序立った方向にアップグレード
させるべく努力していかなければならない。

 
また、公共就業サービスや職業技能向上といった公共サービスと新たな就業形態との融合を推し進め、新たな就業形態の就業市場を育成し、新たな
個人主義経済を奨励し、『自主就業』を支援
していかなければならない。」首都経済貿易大学中国新就業形態研究センター主任の張成剛氏は本紙記者
にこう語った。

 
ただ、大学生の就業・起業における難点も無視できない。大学生の起業はやはり資金不足や経験不足といった分かりやすい壁に直面しがちだと李妍氏
は指摘する。

 
「大学生の起業に対するモチベーションを高めるためには、対応する保障政策による誘導と支援が必要だ」

 
李強氏の実感では、今、起業のメインステージとなっているのは、新興業態やハイテク分野だ。しかし、大学生の就業市場には深刻なミスマッチが起きて
いる。

 
中でも、AI、ICチップ、ビッグデータといったニューテク・ハイテク分野は人材ニーズが大きいが、求められる技能を備えた人材は不足している。

 
それゆえ、求職者は、ハイテク型・複合型人材を目指して自らの資質と技能をステージアップさせ、就業市場における競争力を高めなければならない。

 
また、李妍氏は、現在の就職市場においては、質の向上に対するニーズがポスト拡充のスピードを上回っているため、いかに大学生の就業能力を向上
させるか
が焦点になると指摘する。

 
そのためにはまず、人材育成において学歴教育と技能研修の両方を重視すること、特に実践性の高い専攻ほど産学連携に注意を払うことが重要である。

 
また、中国においては職業教育の社会的認知度が低いことから、価値観教育の方針を早期に確立し、より多くの技能・技術型人材の成長と発展を誘導
することが必要になる。

 
ここで言及しておきたいのが、6月7日に職業教育法改正草案が初めて全国人民代表大会常務委員会会議に審議要請されたことである。同草案には、
職業教育と普通教育が等しく重要な地位を有していることが明記されている。

 
同草案の狙いは、職業教育分野における突出した問題の解決に注力し、ハイレベルの資質を有する技術・技能人材の育成を推し進めるとともに、
求められる就業の方向性を明確にし、就業の構造的矛盾を緩和することで、職業教育のさらなる改革に法的基盤を与えることである。

 
2021/06/08


澎湃新闻: 大学生就业进入冲刺期,促就业创业“暖招”齐发力


地域 アジア・オセアニア
中国
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行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
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人材育成 学生の就職