【ニュース・中国】年々費用がかさむ中国の大学受験「高考」願書記入サービスは信頼できる?(2)

 
いわゆる内部データは多くが「ハッタリ」、最も無難なパターンを選び成功率UP

 
塾が提供するサービスとは一体どういうものなのだろうか。

 
願書記入ソフトを販売するネットショップの口コミを見ると、「データが古い」「更新が遅い」「だいぶ前の情報なのでは」といったコメントが並ぶ。

 
願書記入ソフトを購入したというある保護者は、データは大して参考にならないと言う。

 
「データの多くは新「高考」制度実施前のもので、比較可能なデータはごくわずか。あんなものを頼りに願書は書けない」

 
願書記入ソフトが拠り所としているビッグデータは、実はどれも学校や教育部の公式ホームページや、教育部指定の「高考」情報発信サイト「陽光
高考」で公開されている情報だ。広告で謳われている「内部データ」は、業界関係者に言わせれば「ハッタリ」なのだという。

 
ある塾の職員はこんな話をしてくれた。願書記入ソフトの最大の機能は、各ルートからの情報を1か所にまとめ、保護者自身が情報収集する手間を省いて
くれることだ。
ただし、最終的な合否結果は多くの要素が絡み合っており、たとえ足切りラインが同じ学校だとしても、出願者の人数により結果は
異なってくる。

 
さらに、願書記入ソフトが提供してくれるのは過去の合否判定データのみで、当然ながらその年の出願データは含まれていないため、ほんの参考
程度にしかならない。

 
一方、ともすれば1万元以上にもなるマンツーマン指導の方はというと、こちらの「値打ち」はさらに疑わしい。記者はある「主任クラス」の
プランナーに北京市の「高考」願書記入に関する情報を問い合わせてみたが、このプランナーが寄越した回答は、河北省の2021年「高考」の願書
記入法だった。

 
記者がこれについて問い質したところ、このプランナーは回答の代わりに、ある有名講師の願書記入法に関する解説動画を送ってきた。

 
山西省で2020年に「高考」受験をした生徒の保護者・王穎さんは去年、塾に5,000元を払って願書記入指導を受けたが、与えられた情報はどれも
ネットで検索できるものばかりだった。

 
しかも、塾側の成功率を保証するため、一番無難なパターンで出願することを強いられたが、最終的な合否結果は満足いくものとはならなかった
という。

 
業界関係者の多くはこう断言する。「一般的には、願書記入の際は少し冒険をして、ワンランク上の学校に出願してみようとする。しかし我々は
成功率を保証するため、確実に合格できる学校に出願するよう強調する。そうしておけば、保護者にも言い訳が立つ」

 
大抵の場合、マンツーマン指導には、性格・適性診断テストやライフプランニングといった内容が含まれる。業界関係者が明かしたところによると、
こうした事を行うのは、サービス内容を増やすため、言ってしまえば、サービスの内容と時間を水増しし、費用徴収につなげるためだという。

 
「マンツーマン面談と言っても、わずか数時間しかなく、受験生のことを深く理解できるはずがない。性格・適性診断テストにしても、ごく基本的
な質問しかしないため、適している専攻などアドバイスできない」

 
中国科学院の心理学教授・王極盛氏は、一部の塾が願書記入指導の際に行う心理テストも信用できないと指摘する。「プランナーの多くは心理学
など勉強したこともなく、分析も専門性に欠けると思われる」

 
2021/05/31


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地域 アジア・オセアニア
中国
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